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2006年7月 2日 (日)

ナイスファイト!

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7月1日、午後8時を過ぎた後楽園ホールは日本タイトルマッチにふさわしい熱気に包まれていた。ひとりの男が人生を賭けた大舞台。彼の過ごしてきた時間を知る者であればあるほど、緊張感は増す。男と男の一対一の真剣勝負。勝てばチャンピオン、負ければ…

スタミナに自信がある彼は1ラウンドから積極的に前へ出た。体調は悪くないようだ。パンチが当たるたびに会場のボルテージは上がる。人と人が殴り合う姿を観ることで、観ている人たちは異様な興奮状態に登りつめる。男たちは「いけー!」「右だ! 左だ!」とまるで戦っている者を何かでコントロールしているかのように声援とも野次とも判別しがたい野太い声を上げている。

人と人の殴り合い。ボクシングは簡単に言ってしまえばそんな競技。極めて単純で原始的なスポーツである。冷静に試合を観ようと思ってもなかなか冷静さを保つことは難しい。ファインダー越しに戦況を見守りつつも、小声で「行け!」「ヨシ!」などと無意識の声が出てしまう。

4ラウンドが終わった。少々、飛ばし過ぎているようにも思えるが決してチャンピオンにヒケは取っていない。互角以上の戦いをしている。パンチを繰り出すごとに汗が飛沫となって飛び散る。決定的な瞬間はいつ訪れてもおかしくない状況になってきた。リング上で戦っている選手は我々が思っている以上に冷静なのだろうが、青、赤それぞれのコーナーで戦況を見守る人々は興奮の坩堝。リングの下でも必至で戦っている。

ラウンドが進むごとに1発のパンチに心臓が高鳴る。足が少しでもフラつくものなら、それを支えるが如くリング下から声援が増す。お互い譲らない撃ち合いが繰り広げられる。倒れそうでなかなか倒れない。チャンピオンは左目が塞がっているようだ。チャンス! 左だ! 左を出せ! 決定的とは行かないが、確実にポイントとなるパンチが当たっている。しかし、チャンピオンはさすがにタフだ。そう簡単にはぐらつかない。

第8ラウンド、バッティングによる減点。これが見えない焦りとなったのか? 第9ラウンド勝負はついた。中盤、チャンピオンのパンチが当たった。初回から飛ばした挑戦者は足をぐらつかせた。この瞬間勝負はついた。しかし、挑戦者にとってはジム始まって以来のタイトルマッチだ。これまで指導してくれた恩師たちのため、声援をくれている人々のため、そして何よりも自分自身のため、倒れてはいけない。クリンチで必至に逃れようとするが、チャンピオンは体重を乗せて足にきている挑戦者から最後のエネルギーを奪い取る。

ロープを背にした挑戦者はそのまま倒れそうな勢いだったが、何とか持ちこたえる。しかし、ここまでだった。クリンチがはずれ、チャンピオンは突進してきた。もうクリーンヒットは必要なかった。自らの青コーナーに追い詰められたとき、レフリーが割って入った。ダウンこそしなかったものの、挑戦者はレフリーストップでTKO。最後まで倒れることなく戦い抜いた挑戦者、素晴らしい戦いだった。そして、勝ったチャンピオンもさすがだった。

本多ジム創業以来、初のタイトルマッチは儚くも終わった。そして、初のタイトルマッチで見事に戦いを見せてくれた挑戦者・中堀くんの栄冠は夏の蜃気楼の如く消えてしまった。しかし、まだ終わったわけではない。次へ繋げよう! きっとまた、チャンスは訪れる。8回までポイントでは2ポイント勝っていたのだ。この経験はきっと次に繋がるはずだ。今日は素晴らしい試合をありがとう。

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コメント

本多ボクシングジムは30年前にも2度タイトルマッチを経験してますよ。同じ人で2度。

詳しいですね。

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