山本由香

  • ストックホルム在住のデザインライター及びデザインコーディネータ。ウェブサイト「スウェーデンスタイル・コム」にて随時最新情報を発信している。著作に「北欧スウェーデンの幸せになるデザイン」と「北欧スウェーデンのかわいいモノたち」。
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2009年3月19日 (木)

スウェーデン人の心のアーティスト、カール・ラーション

カール・ラーションといえば、スウェーデンで最も愛されているアーティストの1人でしょう。20世紀初頭に活躍し、幸せな家族の暮らしをモチーフに、スウェーデンデザインの原点ともいえる白木の家具やテキスタイルを描いた優しいタッチの水彩画を数多く世に送り出しました。今でこそシンプルな家具は北欧デザインの代名詞になりましたが、その頃はまだロココ調のこってりした家具が好まれていた時代でした。ラーション一家が好むシンプルな家具は美しくないと非難されることもあったようですが、テキスタイルデザイナーでもあった妻のカーリンの作り出すデザインとともに、シンプルで明るい色彩のインテリアという彼らのスタイルを貫き、今では誰もが愛するインテリアのスタイルに確立されました。

カール・ラーションの作品は国立美術館など主要な美術館で鑑賞することができますが、2月から5月末までストックホルムの元宮殿である「プリンス・エウシェン美術館」で彼の作品が一堂に集められた特別展示会が開催されています。カール・ラーションと同じ時代に風景画家として活躍していたエウシェン王子の住まいは、彼が亡くなった後ストックホルム市が所有することとなり、その後美術館として一般に公開されるようになりました。美しい庭園や豪華な家具の並んだ客間も見ごたえがあり、森の中にある宮殿美術館として人々に親しまれています。


元宮殿の美術館外観

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カール・ラーションの作品が広い館内でじっくり鑑賞できる

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王子も使った当時の客間も公開されている

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左は妻カーリンのウェディング姿、右はカールの自画像

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1911年のラーション家の子供たち
当時このような白い家具はめずらしかった

2009年2月19日 (木)

ファニチャーフェアの前途有望な日本人デザイナーたち

冬のデザインの祭典ファニチャーフェアが今年も無事に幕を閉じました。最近はわりと大人しくなってきた感もありますが、その分内容が充実してきたのかもしれません。目を惹くような新作よりも、使ってよし、環境によしといった作品が増えているようです。

特に今年は有能な日本人デザイナーが参加していたように思います。まず、最優秀家具賞である「北欧デザイン賞Nordic Design Prize(2006年まではForsnas賞)」を受賞したソファテーブル「Newton」をデザインしたのは須長檀さんとスタファン・ホルムさんです。須長さんはイェテボリを拠点に活躍している日本人デザイナーで、昨年もKarl Andersson & sonerから「イトマキ」というソファーテーブルを発表しています。

気鋭デザイナーの新作が揃うOFFECCTでは、ヤナギハラ・テルヒロさんデザインのソファ「Grow」が発表されました。パーツの組み立て方でいろいろな変化が楽しめるソファです。

北欧家具の老舗ブランドSWEDESEからは、伊藤節さんと伊藤志信さんデザインのハンガー「Hanahana」が登場。ネーミングのごとく、花が咲いたようなハンガーはオブジェにもなりそうです。

グリーンハウス会場に出展される「ヤング7」の1点に選ばれたのは、ハマナカ・アツコさんの「Fiction Cabinet」です。ブラウンの落ち着いた色合いのキャビネットの模様はなんと髪の毛。光を通すキャビネットがいろいろなタイプの髪の毛を美しく輝かせています。

シンプルで素材のよさを生かすのが上手なのはスウェーデン人と日本人に共通する感覚です。これからの活躍が期待されます。

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Newton by Karl Andersson & soner

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Grow by OFFECCT

Hanahana
Hanahana by Setsu & Shinobu Ito

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Fiction Cabinet by AKO & Co

2009年2月 3日 (火)

イッタラのオリゴが10周年

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オリゴの新作「オリゴ・ミックス」

Origo10yearstimeline
オリゴ10年の軌跡

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左、タイカの新作  右、アアルトベースの新色

1ヶ月ぶりのストックホルムは、ほんのりと雪が積もって冬まっさかりです。去年よりは寒いですね。去年はまったく使わなかったスノーブーツは、今年は出番がありそうです。

さて帰って早々イッタラの新作発表会に行ってきました。イッタラはフィンランドのメーカーですが、スウェーデンのホガネスセラミックやローストランドなどを傘下に入れ、いまや北欧を代表するテーブルウェアメーカーです。

新作はオリゴ10周年記念のオリゴ・ミックス、タイカの新デザイン、アアルトベースの新色です。特にオリゴは今年10周年を迎え、定番のストライプがちょっと違う形になっていたのが目を惹きました。オリゴは10年の間に9タイプのデザインを発表し、国際的にも大きな成功を収めています。

そういえば昨年11月にイッタラ直営店が銀座にオープンしましたね。老舗のウェッジウッドが倒産したりとテーブルウェア業界も不況の話題が尽きませんが、イッタラは元気いっぱいのようですね。北欧ブランドが力を合わせて、不況を吹き飛ばしてもらいたいものです。やはり日本は大切なマーケットなので、日本のお客様に愛していただければうれしいです。

2009年1月 5日 (月)

1月のデザインイベント

Formex0901_2

新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします。

年末から1ヶ月弱日本におりますのでスウェーデンからの最新情報はお届けできませんが、1月に開催されるデザインイベントについてご紹介します。

年明けに開催されるデザインイベントはインテリアフェア「Formex」です。毎年年明けと夏休み明けの1月と8月に開催され、休暇を充分に取って元気いっぱいのデザイナーや企業がこぞって出展します。

今回のテーマは「ワンダーランド・ストーリー」です。ワンダーランドというとアリスを連想しますが、どのような夢のあるストーリーを展開してくれるのでしょうか。テーマ展示はエントランスホールでご覧いただけます。インテリアや雑貨の新作など、北欧の最新デザインをお楽しみ下さい。開催期間は1月15日から18日、会場はストックホルムメッサです。詳しくは公式サイトをご覧下さい。
Formex公式サイト

Formexではウェブマガジンも公開していますので、併せてお楽しみ下さい。
Formexマガジン

2008年12月 8日 (月)

NKデパートのクリスマスショーウィンドウ

毎年恒例ですが、やはりクリスマスといえばNKデパートのショーウィンドウ。毎年11月下旬に公開されますが、今年はアドベント第1日目より1週間早い11月23日に公開されました。クリスマスから1ヶ月前の日曜日がアドベント第1日目で、この日を皮切りにクリスマスデコレーションが一斉に始まります。

今年のNKデパートのショーウィンドウのテーマは「プレゼント」。6種類のプレゼントボックスには、思いのこもった楽しいオモチャたちが入っています。 どれかのプレゼントにお気に入りが見つかるのでは。

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NKデパートのクリスマスデコレーション

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左はカップやプレート、右はカラフルなプレゼントボックス

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左はロボット、右は大きな靴のプレゼントボックス

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左はカラフルなあみぐるみ、右はクロコダイルのプレゼントボックス


おまけに動画もアップしちゃいましょう。

2008年11月24日 (月)

いくつになっても現役!故オーレ・エクセル氏夫人のルーセルさん

オーレ・エクセル氏の作品展の準備のためルーセル夫人を訪ねたところ、テーブル一面にイラストの絵を見つけました。「また始めてみたのよ。」というルーセル夫人は、オーレさんと同じくイラストレーターでした。オーレさんの仕事が忙しくなって自分のイラストを描く時間が少なくなったというルーセル夫人ですが、最近久しぶりにイラストを再開させたそうです。とはいっても仕事としてというより、まずは腕試しにいくつか描いているそうですが、かなりの腕前です。50年ぶりといいますが、全くその腕は衰えていません。

オーレさんとはまったく異なるタッチで、主にモードファッションやインテリアのイラストを描いていました。新聞等の1面のイラストを手がけたこともあるそうです。第二次大戦後に渡ったアメリカのアートスクールでは別々のクラスでイラストを学び、お互いにアドバイスしあったり支えあい、オーレさんの魅力あふれた作品が生み出された背景にルーセル夫人の存在は欠かせません。80歳台後半になろうというルーセル夫人の現役ぶりにすっかり感動してしまいました。エイ出版社様でイラストお使いになりませんか?

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11月26日から12月2日まで新宿伊勢丹本館7Fで「北欧モダンコレクション」が開催されます。そこにオーレ・エクセル特集として、オーレさんの作品が展示されます。

2008年11月15日 (土)

カリスマフラワーアーティストのクリスマスアレンジ

11月も中旬になってきますと、クリスマスイベントもちらほら始まります。先日はスウェーデンのカリスマフラワーアーティスト、グンナル・カイ氏がアレンジしたクリスマスデコレーションのプレスリリースがありました。ノーベル賞晩餐会のフラワーアレンジを2000年からずっと担当しているカイ氏はスウェーデンのフラワー界の第一人者で、今年のノーベル賞のアレンジも担当します。今年のテーマにちなんだアレンジになるとのことで、アレンジはノーベル賞当日まで秘密だそうです。カイ氏はイラストレーターでもあり、今年のクリスマス切手のイラストも手がけました。カイ氏らしいナチュラルでクラシックなクリスマスリースをイラスト上で表現したデザインになりました。

カイ氏がアレンジしたクリスマスデコレーションがTulpanens Husで11月23日まで公開されています。スウェーデンらしいワラ製のヤギ、ユールポックやオーナメントが添えられ、ジンジャークッキーに落ち葉をアレンジするなど面白い工夫も見られました。クリスマスディナーでいただくお米のおかゆにちなんで、お米もレイアウトされていました。

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グンナル・カイ氏のクリスマスアレンジ

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グンナル・カイ氏が描いたクリスマス切手

2008年11月 8日 (土)

フードフェアでワイン飲み放題

しばらくごぶさたしてしまいました。最近あまり大したイベントがなかったのですが、本日久しぶりにフェアに行ってきました。ワインが飲み放題のフードフェアです。美味しいものがないと思っていたスウェーデンですが、最近のストックホルムはずいぶん変わってきました。人々が新しい食べ物にも興味を示し始め、美味しいものがかなり増えてきました。インテリアやデザインは定着気味であまり進展はありませんが、食の世界はかなり発展してきています(というか今まであまりに発展がなかった)。

初日から一般の入場ができるので、オープン時間から長蛇の列ができていました。入場券の他にワインテイスト代を支払うとグラスが渡され、会場内にあるさまざまなワインの試飲ができます。おつまみ系もところどころで配られるので、お酒好きにはたまらないフェアです。会場では料理コンテストがあったり、料理の実演があったり、ワイン以外にも楽しめるイベントが盛りだくさんです。ヘルシーフェアも同時開催で、スウェディッシュマッサージなどを堪能できます。
フードフェアのサイト
ヘルシーフェアのサイト

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料理の実演もあり

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ワインのディスプレイも見もの

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ステージでは学生たちのクッキングコンテストを実施中

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テーブルセッティングのディスプレイもあり

2008年10月15日 (水)

ストックホルムオープンで日本の錦織選手が活躍!

10月4日から12日まで、ストックホルム王立テニスホールでストックホルムオープンが開催されました。今年はロジャー・フェデラーが参加予定だったため早くからチケットが完売したようですが、数日前に不参加を表明して残念なこととなりました。しかし、日本の若手ホープ錦織圭選手の出場が決まり、彼の活躍に注目が集まりました。

錦織選手は第1試合から格上の第8シード選手に当たりました。第1セットを簡単に落としたのでそのまま負けてしまうのかと思われましたが、第2セットで得意のジャンピングフォアハンドを決めセットを奪い、第3セットでは初めからブレークして相手の調子を狂わせ、そのまま勝利へと結びつけました。第2試合もフルセットの接戦となりましたが、最終セット5-5の次のサービスをブレークし、その後のサービスゲームで集中力を見せてそのまま勝利しました。

準々決勝に進んだ錦織選手は第2シードの選手と当たる予定でしたが、相手が発熱のため棄権を表明し、不戦勝で準決勝へと進みました。初出場の最年少がベスト4まで残ったのは、スウェーデンテニス界にも大きな印象を残しました。しかし準決勝ではビッグサーバーの地元選手ロビン・ソデルリングに全く歯が立たず、相手に圧倒されて負けてしまいました。ひざの故障や風邪など体調が思わしくなかったようですが、それにもめげずにベスト4まで来れたことは彼にとってもいい経験となったようです。

グランドホテルに滞在したそうですが、ストックホルムを観光する時間もなくひざの治療のため早々にアメリカに帰り、その後またヨーロッパ遠征を続けるそうです。「街がきれいで海もきれいで」と語ってくれたストックホルム。さわやか旋風を巻き起こしてくれた若きホープは、また来年のオープンにもやって来てくれるでしょうか。

ストックホルムオープン公式サイト

Sthlmopen
ストックホルムオープンは男子のみのシングルとダブルスのATPツアー

Airk2
得意のジャンピングフォアハンドを連発

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Press
記者会見ではさわやか笑顔を見せてくれました

2008年10月 6日 (月)

ルーセル夫人との会食

故オーレ・エクセル氏の作品を日本に広めるべく、ルーセル夫人とは一緒に仕事をさせていただいています。とても気さくな方で、個人的な付き合いも長く続いています。先日は、パートナーそろってお宅のディナーに招待されました。夫人はおもてなしが大好きなようで、高齢にも関わらずいろいろと準備をして下さいました。メイン1品のみが我が家の通常の夕食ですが、ルーセル夫人のディナーでは前菜に海老とアスパラのスープ、主菜にチキンのワイン煮、デザートにピスターチのアイスクリームと、レストランに行ったかのようなおもてなしを受けてすっかり感動してしまいました。ワインも白、赤とあったので両方楽しませていただきました。

オーレさんの未発表の絵本やプライベートワーク、人気イラストのシルクスクリーンプリントの販売など、今後もますますオーレさんの作品を日本の皆様に広めていきたいと思っています。デザイナーさんたちとの交流はビジネスを進めていく上で大切です。しかしビジネスを超えて個人的にも付き合っていきたいというすばらしい人々がたくさんいます。裏表のない人々と心から信じあって付き合えること、これに勝ることはありません。

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ルーセル夫人宅でのディナーテーブル

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オーレさんの書斎にはいろいろな作品が残されています

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やはりココアアイズが目を惹きます