残念です
勝浦・清徳丸の吉清さん親子の捜索は依然進展がありませんが、親族や漁協関係者の皆さんの心労は想像に難くありません。何とか、一刻も早く、親子が家に帰れるようにと祈るばかりです。
実は吉清さん親子は、ソルトワールドとも浅からぬ関係がありました。本誌でイラストエッセイ「海辺の抒情詩」を執筆していただいている内田進さんが、水揚げのため伊東港に立ち寄った吉清さん親子を取材しているのです。
「高橋君、オレこの前、千葉からカツオ・キハダ漁に来ている親子船の漁師さんと話をしたんだけどさあ、これがほんとに素晴らしい親子でね。息子さんはほんとにお父さん思いで、オレ、感動しちゃったよ。いつかこの話をエッセイに書きたいと思ってるんだけど、いいよね?」
こんな話を内田さんから聞いたのは、去年の夏のことだったでしょうか。ボクは「もちろんです、いい話ですね。ぜひお願いします」と答えたのですが、まさかそれが吉清さん親子だったとは、今回のことがあるまで知りませんでした。
あの事故の後、内田さんから電話がありました。
「高橋君、前に話した親子船のこと、覚えてる? あれさ、今ニュースでやってる清徳丸なんだよ。間違いだったらいいと思ってそのとき撮った写真を確かめたんだけどね、やっぱりあの親子なんだ。オレ、あのときのこと思い出して合掌しちゃったよ」
なんでも吉清さん親子は、大切な水揚げである魚を内田さんにくれ、まだ漁があるからと出港していったそうであります。去っていく船の写真を見て、ボクも改めて手を合わせてしまいました。内田さんとボクはさまざまな配慮を含めて相談した結果、次の号で親子の話を掲載することにしました。このようなことになる前に掲載できなかったことが残念です。

