建築といえば、昭和のコンクリートに他ならない
《text:編集長 桑原》
いつから建築が気になるようになったのか。
小さいころは大きな建物に入るだけでワクワクしたものだが、
とくに水族館がお気に入りだった。僕の田舎にある水族館は、
日本海側初の水族館であるのだが、それはそれはクラシックなコンクリート造であったのが、
子供にはインパクトがあったのだと思う。
いまでも、興味をもつのは古いコンクリートのマンションやビルディングだ。
中学生のときに京都へと初めて行ったときには、軸組みの美しい木造建築に
感心させられた。が、それは頭で感じるものであり、
その場がもつ空気感からくるものではなかったような気がする。
東京で暮らしながら思うのは、そこだけ異なる空気が流れているような、
そんな建物が多いということだが、それらは、特別な場所にあるわけでもなく、
いかにも普通に存在するのだ。
リアル・デザインの連載としてはじめた「東京再発見」という連載は、
そんな建築を見たくて、読みたくてはじめたものだ。
そこに登場するのは、明治大正時代から存在するものもあるが、
その多くは昭和のものだ。日本が前へ、前へ悩むことなく前進していた
時代に建てられたものは、いま見ても力強い。
青山、表参道、六本木、丸の内。。。新しく生まれ変わる東京の街に
立ち並ぶ建築物を眺めても、けっして感じられない風格。
リアル・デザインの連載が、ようやく一冊にまとめることができた。
タイトルは、『東京建築物語』
としたのだが、まだまだ伝えきれないストーリーが建築には
詰まっていることが再確認できた。
この連載は、まだまだ継続中である。二冊目、三冊目の建築物語も、
もちろん刊行していくつもりだ。






