リノ・エアレース現地速報 第3弾
トニー比嘉、大殊勲のシルバーレース3位入賞!
アンリミテッドは#232セプテンバーフューリーが圧勝
1週間に及ぶ予選とヒートレースを経て、ついに迎えたリノ2006決勝レース。朝8時ジャストの離陸スタートで始まったバイプレーン・シルバーレース。優勝の期待が高まるポール ポジションのトニー比嘉は、なんと離陸直後、脇に並んだ2番スタート機の幅寄せを食らって悔しい3位転落……。だが、じりじりと先行機を追い上げ、最終ラップの第4パイロンでは一時、2位に浮上した。とはいえ相手は名手クリス・ファーガソン。写真のようにイン側をのラインを完璧に抑えて第5、第6パイロンを鮮やかに回り込んでつ
けいる隙を与えず、最終的にトニー比嘉は3位フィニッシュ。惜しくも初優勝はならなかったが、3年間闘ったブロンズレースを経て、シルバーレースへの昇格と、トップクラスのパイロッ トと互角に渡り合ったテクニックは、来年のさらなる好成績を期待させるに充分だ。そして我らがトニー比嘉の闘いを、陰で支えた珠生婦人(左)と日本から駆けつけた山下クルーチーフ(左)にも、心から感謝と拍手を送りたい。
アンリミテッド・ゴールドレースは、予想どうり#232セプテンバーフューリーがスタートからフィニッシュまで、後続機をまったく寄せ付けることなくブッチギリの優勝。3ラップ目には
493マイルを叩き出して、新世代チャンピオンの実力を見せつけた。予想外だったのは、2度の緊急着陸で決勝進出さえ危ぶまれていた#7ストレガの闘いぶり。オーナーパイロットのビル”タイガー”ディステファニーが、久々に操縦桿を握って8位スタートから2位まで追い上げる大健闘に、スタンドは沸き返り「ゴー!ゴー!タイガー」の声援が飛び交った。しかし残念なことに、またしてもわずか残り1周で緊急着陸。リノ2006アンリミテッド・ゴールドレースの優勝機は#232セプテンバーフューリー、2位は怪物エンジンR4360を搭載した#8ドレッドノート、3位は小柄なYak改造機で”モンスターキラー”の異名をとる#86チェックメイトとなった。普段は寡黙なうえ、めったに人前に姿を表さない#232セプテンバーフューリーのオーナーパイロット、マイケル・ブラウンもさすがに初優勝の感激は押さえきれず、クルーと機体へ向けてシャンパンファイで大はしゃぎしたのが、非常に印象的だった。ここ1~2年の間に、
あの天才スキップ・ホルムの飛びっぷりを彷彿とさせるまで、操縦テクニックに磨きをかけたマイケル・ブラウン、レース後にさえオイル汚れがまったく発生しない完璧に仕上げられた強力なエンジン、そして最高水準のクルーが揃った#232セプテンバーフューリーは、まさにドリームチームであり、勝つべくして勝ったといえる。ちなみにレース終了後、個人的に親交の深いエンジン・チーフメカニックのデイブは、「来年こそ、500マイル突破させてみせるさ」と笑顔で語り、それが真実にも思えてきた。よほどの強敵が出現しない限り、しばらくは#232セプテンバーフューリーの天下が続くことだろう。アンリミテッド・クラスはもはやマスタング、ベアキャット改造機ではなく、シーフューリー改造レーサーの時代を迎えたのである。
by 藤森篤








