vol.08『冬だからこそ泊まりたい、驚きのサービスを提供する山小屋』個別記事ページ


文・写真◎斉藤政喜 Text & Photo by Masaki Saito
イラスト◎神田めぐみ Illustration by Megumi Kanda

『冬だからこそ泊まりたい、驚きのサービスを提供する山小屋』
マナスル山荘本館

入笠山はスノーシューのパラダイスだ。なだらかな地形で歩きやすく、山頂からは八ヶ岳や中央アルプスなど360度の大パノラマが望める。冬場の晴天率も高く、高速道路のICからも近くてゴンドラもあるから、誰もが気軽に大自然を満喫できる。

その入笠山で冬期も営業している山小屋がマナスル山荘本館だ。アクセスがいいため日帰りするハイカーも多いが、この山小屋に泊まる価値はおおいにある。オーナーの山口信吉さんは、2年前に前オーナーからマナスル山荘本館を受け継いだが、山小屋経験が長く、山岳ガイドや遭対協の救助もしていた山のエキスパートだ。しかも狭き門を突破した気象予報士でもある。天気の解説だけでなく、気象に関する雑学もわかりやすく説明してくれるし、スポーツ店を経営していた経歴もあるから、身体能力に関する知識も詳しい。

大規模な山小屋、北アルプスの槍ヶ岳山荘は焼き立てのパンが名物になっているが、それを生み出したのが当時主任として働いていた山口さんである。水場もなく自然が厳しい標高3000mの世界で焼き立てのパンを提供するという独創的なアイデアマンだけあって、マナスル山荘本館にも、常識破りのサービスがある。お酒、飲み放題だ。

冬期限定とはいえ、生ビール、ワイン、日本酒、焼酎、梅酒、ウイスキーなどがマイカップ持参で飲み放題1500円なのである。オーダーする側が「いいのか、これで?」と心配になってくるほどだ。もちろん食事もおいしく、夕食は揚げたてのトンカツなどが並ぶ。

おいしい食事、飲み放題のお酒、さらに晴天率が高いゆえに広がる冬場の澄んだ青空は、マナスル山荘本館に泊まらないと楽しめない。日帰りでは体験できない、冬のぜいたくなのである。

ちなみにマナスル山荘という名前の由来について、山口さんはこう説明する。 「この山小屋が建てられたのは、1955年。当時日本はヒマラヤのマナスル初登頂に沸き返ってました。その日本隊がマナスルに向けて出発したのも1955年。そして入笠山の標高も1955m」

つまり、3つの1955がつながってマナスル山荘が誕生した、と山口さんは推測するが、創業者の家族でもある前オーナーの80歳のおばあちゃんに真相を尋ねたら「昔のことだから忘れた」とあっさり言われたそうだ。

山荘から入笠山までは30分程度。晴天率が高く、山頂からは360度の眺望が楽しめる。冬山に慣れていないビギナーでもアクセスしやすい簡単な山だ。マナスル山荘にはスノーシューのレンタルサービスもある

物置として使われていた部屋を山口さんが居心地のいいラウンジに改装した。こたつにあたりながらミカンを食べてテレビやDVDを鑑賞できる。本のラインナップも充実しているし、館内でWi-Fiも使えるサービス内容だ

食堂を兼ねたロビーには薪ストーブがあって、冬でも暖かく過ごせる。驚くことにマナスル山荘は休憩料が無料。さらにお茶も無料でサービスしている。日帰りでスノーシューのトレッキングに来る人々にも心優しい山小屋だ

部屋は13あり、個室対応になっている。部屋には灯油ファンヒーターから温風をとりいれるこたつもあるし、シーツと枕カバー、さらに希望者には湯たんぽも用意され、寒い夜でもぬくぬくの暖かさで熟睡できる


朝食は焼き立てのクロワッサンとパン。表面がパリッとしていて、それだけでもおいしいのに特製のピオーネのジャムもつく。フライドエッグが2つ並んでいるあたりも、一般的な山小屋を超越したレベルにある


20代にカナダのレストランで働いていた経験がある山口さんだから、料理はおいしいし、おかずのバランスもいい。揚げたてのトンカツにはビーフシチューのソースをアレンジした特製ソースがかかっている。食事がすすむ



DATA


宿泊データ: 冬期(2016年4月3日まで)

1泊2食
\8,060(大人)
1泊2食
\5,900(小学生)
1泊2食
\4,820(幼児)
素泊り
\5,900(大人)
素泊り
\4,820(小学生)
素泊り
\3,740(幼児)
お弁当
¥1,000
収容人数
50人 
営業期間
通年
連絡先
0266-62-2083
http://manaslu-sanso.com/manaslu/
MENU
ソースカツ丼、カツカレー
各\1,300
カレーライス、鍋焼きうどん
各\1,000
ビーフシチュー ロースカツ
各\1,000
ご飯・みそ汁セット
\400
なめこ汁
\600
焼き立てパン
\200&\300
きなこもち
\400
フライドポテト
\500
おでん(7品)
\600
生ビール(中ジョッキ)
\600
生ビール(グラス)
\400
ウイスキー、焼酎
各グラス\500
ワイン、梅酒、ゆず酒
各グラス\500
日本酒(ワンカップ)
\350
カクテル(ハイボール・ダブル)
\500
カクテル(ハイボール・シングル)
\350
ノンアルコールビール
\350
ドリップコーヒー、紅茶、ココア
各\500
カプチーノ、ぶどうジュース
各\500

PEAKS山大学×Canon パワーショットG3 X 体感イベント

【月刊】 PEAKS(ピークス) 新刊

  • 雑誌「PEAKS[ピークス]」No.96 PEAKS 2017年11月号 特集「ウィンターアイテムカタログ 2017-2018」

    1,000円(税込)
    2017年10月13日発売

PEAKS(ピークス) 関連動画

PEAKS(ピークス) 関連本

  • PEAKS関連本 PEAKS特別編集
    日帰りで登る日本アルプス詳細ルートガイド

    ¥1,404(税込)
    2017年10月2日発売
    PEAKS関連本 PEAKS特別編集
    最新版 八ヶ岳トレッキングガイド

    ¥1,296(税込)
    2017年08月29日発売
    PEAKS関連本 PEAKS特別編集
    日本百名山データBOOK改訂版
    ¥1,512(税込)
    2017年08月29日発売

アーカイブ

編集部スタッフ紹介

Peaks Facebook

peaks twitter