vol.02『日本で最も山深い奥地にある温泉』個別記事ページ


文・写真◎斉藤政喜 Text & Photo by Masaki Saito
イラスト◎神田めぐみ Illustration by Megumi Kanda

『日本で最も山深い奥地にある温泉』
北アルプス・高天原山荘

 なんてったって温泉である。息を切らし、汗をかいてようやくたどりついた北アルプスの核心部に極上の温泉があるのだ。歓喜しない登山者はこの世に存在しないだろう。
 温泉の宿となる高天原山荘の壁には宿泊者の寄せ書きがたくさんある。「とうとう来ちゃいました!」「やっと来た!」「ついに来た!」など。これらの言葉が代弁しているように、高天原温泉は日本で最もアクセスが困難な温泉だ。折立の登山口から早くて丸一日。コースタイムは12時間を超える。知人に温泉巡りをウリにしている女性ライターがいるが、彼女は「高天原温泉は絶対に無理!」とくやしがっているほどだ。
 湯船は女性用と男性用に分かれているが、おすすめは川のすぐ脇に掘られたワイルドな露天風呂だ。

 開放感抜群だし、温泉で火照った身体を、澄み切った渓流でクールダウンすることができる。北欧のサウナのような豪快な入浴が楽しめるのである(素っ裸で渓流に浸かる姿はちょっぴりはずかしいけど)。
 またここの温泉は硫黄臭が強い。入浴2日後でもすれ違う登山者に「高天原温泉に入ってきたでしょ」と指摘されるくらいだ。硫黄の臭いが好きな人には最高だが、好きでない人も(僕もそのひとりだ)渓流で硫黄臭を流せる。天然の洗浄機能がついているのだ。
 そして温泉で疲れがほぐれて、身も心もフニャフニャになったら風薫る高天原山荘でビールでも飲んでデッキで寛ぎたい。目の前は高山植物が咲き誇る楽園。数日間滞在したくなるに違いない。

からまつ露天の湯と名づけられた温泉。看板に「日本最奥の温泉」と書かれている。やや白濁していて硫黄臭が強い

川沿いになるワイルドな露天風呂。更衣室などの設備は何もない。気持ちよさではこっちが一枚上手

高天原は名前が示すように高層湿原である。山小屋周辺は歩道が整備され、ニッコウキスゲやコバイケイソウが咲き誇る。この景色を眺めるだけでもここに来る価値はある

食堂の柱は鉄骨だけど、明るい木の壁と木の床に囲まれていてウッディーな雰囲気。テーブルとイスもシンプルで小屋に合っている


目玉焼き、ハム、佃煮、海苔といった定番メニューが並ぶ朝食。らっきょうや梅干しもありがたい。味噌汁もおかわりしたくなるおいしさ


野菜の天ぷらがメインのおかずとなる。煮物の味付けもおいしいし、お椀のそばもうれしい。年配の方をを意識してか、野菜主体のヘルシーな夕食だ

DATA

宿泊データ:
1泊2食
¥9,200
素泊り 
¥6.000
お弁当 
¥1,000
収容人数
70人 
営業期間
7月上旬~9月下旬
連絡先
076-482-1917
080-1951-3030
(同経営の太郎平小屋が現地連絡先)
MENU
カップ麺
缶ビール350ml・500ml
ワイン・チューハイ・ ウメッシュ
ポケットウイスキー・日本酒・焼酎
ソフトドリンク・パックジュース
チョコチップクッキー
チップスター


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