vol.004 南アルプス・北岳/山梨県 ~8月に登った思い出の山~個別記事ページ


vol.004 キスリングと家型テント。懐かしき山岳部のカオリ
南アルプス・北岳/山梨県 ~8月に登った思い出の山~

文・写真:谷山宏典 Text&Phots by Hironori Taniyama


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谷山宏典


フリーライター。明治大学山岳部出身。しばらく山から遠ざかっていたが、数年前に復帰。衰えた体力を取り戻すべく奮闘中。著書に『登頂八〇〇〇メートル』(山と溪谷社)

夏が来れば思い出す~♪……って、はるかな尾瀬じゃないですよ。
僕の場合、夏が来るたびに、南アルプスを思い出す。大学時代、山岳部に所属していて、毎年夏には南アルプス縦走合宿をしていた。目的は、厳冬期合宿に向けた「体力強化」。40㎏以上、ときには50㎏近いキスリングを背負って、およそ2週間かけて北岳から間ノ岳、塩見岳、前岳、赤石岳、聖岳、光岳と南アルプスの主要ピークをたどり、深南部へと分け入り、寸又峡温泉まで歩いていた。

南アルプスの魅力は、なんといってもひとつひとつの山がデカいこと。大きな標高差をゼーゼーハーハー息を切らしながら登り、ピークについたら一気に下る。そして次のピークをめざして、再びゼーゼーハーハー……南ア縦走をしているとこんなことが延々と繰り返される。いまでこそ「魅力」といえるけれど、山岳部時代は「なんでこんなに登ったり、下ったりするんだ」と恨めしく思ったものだ。

山岳部の先輩OBには、ヒマラヤなどで活躍するツワモノが大勢いて、彼らのひとりが「人生でいちばんきつかったのは、大学1年のときの夏山合宿だ」と言っていたが、僕も同感だ。荷物は重いし(雨に濡れた家型テントはたぶん倍ぐらいの重さになっていたはず!)、脚・腰・肩は疲労と痛みに襲われ続け、喉は渇き、靴擦れは二重、三重に皮がむけてクレーターのようになり、歩くペースが遅れれば先輩の怒声が響く……とにかくしごかれた思い出ばかりの山域なのだ。
ただ、そうやって体力的にも精神的にも追い込まれ、鍛えられたおかげで山ヤとして成長でき、その“昔取った杵柄”で今日まで山を登り続けているわけで、振り返れば貴重な経験なんだけどね。  

長期間山に入っていると山との一体感が増して、なんとも言えない気持ちになるので、PEAKS読者にもぜひ南アルプス縦走をしてほしいところ。ただ、日数的にも体力的にもハードルが高すぎなので、今回は南アルプス北部の主峰・北岳を登るルートを紹介することにした。

冒頭から、読んでるだけでグッタリするような思い出話ばかりしてしまったが、北岳を登るだけならアルプス入門として最適。実際、僕も高校2年生のとき、はじめて登ったアルプスの山が北岳だ。富士山に次ぐ、日本第2位の高さ(標高3,193m)。東面は「北岳バットレス」という岩登りのルートになっていて、クライミングも楽しめちゃう。それまで地元の小さな山にしか登ったことがなかった高校生の僕にとって、北岳はあまりに大きく、カッコよく、素直に「登りたい!」と思わせてくれる山だった。いってみれば、僕の青春の山なんですよ、北岳は。

上の写真は10年以上前、大学2年生のときの1枚。草すべりの急登を終えて、主稜線に出たところ。
キスリングにニッカボッカ、麦わら帽子が懐かしい。

 

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上の写真は、北岳と間ノ岳の間に立つ北岳山荘のテント場から、北岳を眺め撮影した。青空と夏雲をバックにした堂々とした佇まいが登山意欲をそそる。下の写真は、思い出の家型テント。

【MAP】

○JR中央線甲府駅→バス2時間10分→広河原
○中央自動車道白根IC→約35分→芦安
→バス1時間→広河原

※この記事はPEAKS 2010年8月号 No.9に掲載されたものを再編集したものです。

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