vol.002 谷川岳/群馬県・新潟県 ~7月に登った思い出の山~個別記事ページ


vol.002 「魔の山」の頂上はまるで楽園
谷川岳/群馬県・新潟県 ~7月に登った思い出の山~

文・写真:森山憲一 Text & Photos by Kenichi Moriyama


 


森山憲一

本誌編集部員。日本百名山50山達成が今年の目標。写真は屋久島で。やけに腹がデカく見えるけど、じつはトリック写真。本を右に約60度傾けて見るのが正しい傾斜

マイピークス、といえば、自分の場合、迷うことなく谷川岳をあげたい。「7月に登った山」という限定がなくても谷川岳だ。なんせ、これまで谷川岳には14回も登っている。その内訳は、1月1回、2月1回、3月4回、5月1回、6月3回、7月1回、10月3回。次点の槍ヶ岳が6回なのだから、2位をはるかに引き離しての堂々トップだ。だからどの月、どの季節だって、マイピークスに谷川岳をあげることができる。

そんなに行っていて飽きないの? といわれても、これがまったく飽きることがない。ついこの間も計画をたてたばかり(直前で別の山に変えてしまったけれど)。14回は、ある時期、集中的に通った結果ではなく、家が近いからなんとなくという理由で行き続けたからでもない。15年にわたって、行きたいときに行っていたら、いつのまにかそんな数字になっていた。
個人的ひいきだけではなくて、それにはちゃんと理由がある。谷川岳には、山の魅力が全部あるからだ。
岩場が立ち並んで見るからに荒々しい群馬側、一転しておだやかな草原が広がって楽園のような新潟側。主稜線を境に、対照的なふたつの表情が共存している。季節によっても、まったく違う。日本海側と太平洋側のちょうど境にあたるからだと思うけれど、四季によってまるで別の山のようになる。雪が多いから、冬なんか地形まで変わって見えるくらいだ。夏に歩いたことがある所でも、冬に行くと「こんなところあったっけ?」と思うほど。

もうひとつ重要なのは、ハイキング、縦走、沢登り、岩登り、スキー、すべてに一級品のルートがそろっていること。そりゃあ、岩登りだけをとれば、穂高や甲斐駒のほうが上かもしれない。縦走するなら北アルプスや飯豊のほうがずっと歩き応えがあるだろう。でも、それが全部そろっているのは、谷川岳しかないんだ。
「でも、森山はクライミング好きだから、谷川に肩入れするんでしょ?」とよく言われるけれど、ちがうんだよ!7月の上旬くらい、まだ緑がみずみずしい晴れの日に、山頂に上がってみてほしい。草原状の稜線がどこまでも連なり、いろいろな花が咲き、それはそれは気持ちのいい空間が広がっているのだから。僕が7月に登ったのは一ノ倉沢からだったけど、主稜線に着いて目の前に広がった景色を見たときの感動は忘れない。天神平から登れば、それはだれにだって体験できるんだ。

……書いているうちにどんどんテンションが上がってきてしまった。谷川を語りはじめると冷静ではいられないのだ。ああー、今年の7月はまた行ってみたくなってしまった。

 

1)一ノ倉沢を見下ろしたところ。雪が完全になくなるのは、10年に1回くらい。ここを下から見上げた景色は、JRの広告などでよく見られる

【MAP】

○JR上越線水上駅→バス約20分→土合口駅→ロープウェイ約10分→天神平駅
○関越自動車道水上IC→約20分→土合口駅→ロープウェイ約10分→天神平駅

※この記事はPEAKS 2010年7月号 No.8に掲載されたものを再編集したものです。

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