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フィヨルド地域では、こちらの岸からあちら岸へと、カー・フェリーが多く運航されています。日本のように「○○大橋」や「○○トンネル」なんていうのがたくさんあるのを考えると、ずいぶんのんびりした印象です。少し前までは、日本もそうだったのですよね。
このカー・フェリー、観光客向けというわけではなく、地域の人の日常の足として使われています。たとえば、フィヨルド地域を結ぶ路線バスは、お客さんを乗せたバスごとカー・フェリーに乗り込みます。たいていの運航航路は乗船時間15分前後、車の中から見るのとは違った景色が広がり、あっという間の船旅です。なぜだか、フィヨルド・クルーズの船からよりも、カー・フェリーから見る景色のほうが、きれいな気がします。変化に富んでいるからでしょうか。
車を載せて、規則正しくフィヨルドを行き来する船は、なんだか健気です。
言わずもがな、冬は寒く降雪もあるノルウェー。各種工事ができるのは雪のない期間に限られるため、夏を中心に、ここもかしこも工事中なんてことになります。オスロ中心部での道路整備工事は相変わらず続行中で、ひんぱんに場所が変わるバス停や路面電車の停車場には悩まされています。
ベルゲンでも、これまでになかった路面電車を導入するそうで、線路を敷設する工事が行われていました。そこで見かけたのが、この一見すると子どもの落書きみたいなサイン。
仮設の歩道となった場所を示すように描かれているのですが、テディベアを抱えた子どもがお母さんに手を引かれていたり、帽子をかぶった紳士風の人が犬を連れていたり、と遊び心があって楽しい。「工事中」というと、不便を感じてやっかいな気持ちになることが多いですが、こういったクスリと笑ってしまうようなものと出合うと、そんな気持ちも吹き飛んでしまう。
そういえば、ノルウェー・デザインって、きっちり型にはまった真面目さじゃなくて、少し遊び心があるような、ほっこりするようなものが多いような気もします。
前回、「なんちゃってヴァイキング船」をご紹介しましたが、本物のヴァイキング船を見られる博物館がオスロにあります。
20クローネ硬貨のモチーフに使われているオーセベルグ号は、先端部分のくるんと丸まった細工がきれい。ライティングによって、その部分が博物館の壁に印象的に映っています。
この船は、800年代のものだそう。1904年に発掘されたときには2000以上の破片になっていたそうですが、修復作業の末、90パーセントがオリジナルという状態で博物館に展示されています。全長22メートル。
下の写真はゴークスタ号。オーセベルグ号よりも大きくて全長24メートル、32人乗りだそう。この船には、帆柱の一部を見ることができます。調べてみたところ、ヴァイキングはセイルを利用し、この船の場合、帆を利用して12ノットは出せたそうです。
オスロからやや南東にあるテレマルク地方。ここに、船で巡ることのできる運河があります。100年ほど前、山の中にあるDalenという村から、海沿いにあるSkienという町まで木材を運び出すために作られた運河で、当時は、他にも人はもちろんのこと家畜なども乗せて運ばれていたそうです。DalenとSkienの高低差は72メートル。途中に水門が18あり、この水門を経ながら船は進んで行きます。
道路の発達した現在では、かつてのような役割を終えた運河ですが、夏になると観光客がやって来ては、船での旅を楽しんでいます。
なんと言っても、アトラクションは水門。特に、低いところから上へ上って行くときが面白い。船が水門まで来ると、上流側の水門はすでに閉められています。
そして、船が所定の位置に入ると、今度は下流側の水門が閉められます。そこで、上流側の水門が開けられると、水がざーっと勢いよく流れ込んできて水位が上がります。
船は水に浮いているので、水位の上昇とともに、みるみる高い位置まで上がり、上流側へと前進することができます。水門に到着する度に、この繰り返しで、船は旅を続けて行きます。
水門の開け閉めをしているのは、アルバイトの学生だそう。かなり力が要る仕事ですが、時々、女性も見受けられます。