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2007年2月25日 (日)

三宅島の公道レースについて

今年の11月9日から3日間の日程で、東京都が開催を予定している三宅島の公道レースについての報道が新聞や雑誌をにぎわせています。

東京都の要請で三宅島の視察に同行し、現地でテスト走行もしてきた宮城光さんが「公道レースは危険。中止すべきだ」と主張しているといった内容が報道の中心です。

この件については、東京都が昨年末に公道レース開催を発表して以来、三宅島復興のためにバイクを利用してくれるのは大いにありがたいことだけれど「公道レースは反対」という立場をボクもとっています。

ホンダも広報部のコメントで「安全確保が極めて難しい公道レースは賛同しかねる」という態度を表明しています。

昨年末、東京都が三宅島で公道レースをやると正式に発表するらしいという話を聞いたとき、視察に行った宮城さんに島の道路状況(つまり、コース状況ですね)などについて質問しました。

彼の答えは「道路状況や安全性確保の面から、公道レースは危険。でも、素晴らしく美しくて、自然も豊富なところだから、島内にバイクで楽しめる施設を作って、『バイクアイランド』のようなものにしたらいいと思う」

さらに、「バイク業界に携わるものとして、東京都が三宅島の復興策の手段としてバイクに注目してくれたのはとてもありがたいこと。公道レースではない、何らかの違う形で三宅島でバイクのイベントを開催して欲しい」と続けました。

ボクも彼の意見に賛成で、培倶人にも彼のコメントを引用した記事を掲載しました。

そして、宮城さんはその後、東京都に対して公道レースの代わりに、サーキットを作ってそこでレースを開催してはどうかという提案をしていました(東京都からは梨の礫だったそうです)。

ただ、最近のさまざまな新聞・雑誌の報道を読むにつれ、問題がどんどん擦り返られて、三宅島の公道レース開催の問題が石原都政を問うものになってきているところに大きな不安を感じています。

都知事選を間近に控え、石原都知事の周辺に注目が集まっている今、知事の「失政」を見つけてやろうとさまざまな陣営が蠢いています。

この三宅島の件も、プロライダーが危険だといって反対しているにもかかわらず、東京都(=石原知事)は公道レースを開催しようとしている、という論調で報道されています。

それらの記事のタイトルやキャッチも「慎太郎にダメ出し」とか「石原都知事の『命取り』になるか」といったものです。

事の詳細を知らない方々(ほとんどの人がそうでしょう)がこれらの記事を読んだら、「宮城光は反石原の急先鋒」といった印象を受けてしまうかも、と心配しています。

さらに、三宅島の復興策を台無しにしようとしている、と曲解する人もいるかもしれません。

宮城さんは、そして宮城さんの意見を正しいと思っているボクも、三宅島の復興手段にバイクを利用してくれることは本当にありがたいことだと思い、東京都に感謝しています。

ただ、その方法が公道レースであるのは絶対反対、と言っているだけなのです。

公道レースとして世界的に有名なイギリスのマン島TTレースですが、100周年を迎える今年限りで公道レースは中止しようという動きが出ています。

理由は「危険だから」です。

1週間以上の期間にさまざまなレースが行われるマン島TTレースでは、毎年命を落とすライダーがいます。

昨年は、長い間参戦を続けていた前田淳選手が不幸な事故で亡くなってしまいました。

彼が10代で、まだノービスライダーだった頃からよく知っている一人として、あまりにも早すぎる死が残念でなりません。

100年にも及ぶ歴史があり、数多くの経験豊富なボランティアスタッフによって運営され安全面にも最大限の努力が払われているマン島TTレースでさえ、ライダーの死亡事故は決して防げないものなのです。

ましてや、経験も設備も不十分な場所で、最新の高性能バイク(ミニバイクでも危険性は同じ)でレースをしたら……。

万が一、公道レースの最中に不幸な事故が起きてライダーが死亡するようなことがあれば、各マスコミはさまざまな角度から厳しく批判することは確実です。

そしてその中にはきっと「やっぱりバイクは危険な乗り物」という意見が含まれるのは、火を見るよりも明らかです。

そして、そのインパクトはあまりにも強烈で、せっかく大人の趣味として温かい目で見られるようになってきたバイクが、再び危険で反社会的なモノとして扱われるようになる恐れが非常に高いと思います。

そんな不幸な事態を招かないようにという思いを込め、レース経験も豊富で、バイクを心から愛している宮城さんは警告してくれているに違いありません。

みなさんにも、今一度三宅島の件をじっくりと考えてみていただけると幸いです。

RIDING PARTY

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