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2006年12月23日 (土)

Vol.346 12月23日 パハネッグさん Part3

P0011308 はい、パハネッグさんの話、
まだ終わってなかったんです。
彼がBMWのバイク起死回生を賭けた
Kシリーズ開発と同じくらい
ABSにこだわっていたその先にあるものは、
正直なトコロ、当時のボクにも見えてませんでした。
確かにあったほうが万一のリスク回避に有効……、
その万一がいつやってくるかわからないのだから
装着したほうが良いにキマってる、
ジャーナリストとして積極的に理解したつもりでしたが、
後に、自分の愛車R1100RSにABSが装着されていて
実際にそのメリットを痛感したとき、
彼が言いたかったことをようやく理解できた気がしました。

P0024755 本音で、ABSは絶対に必要不可欠な装備だと思います。
ウェットな路面で緊張しないで済むありがたさ、
厳寒の路面温度が低いときの
うっかりハードブレーキングのリスク、
ツーリングでこれらのストレスから解放されると
疲れ方も違うし、その結果、楽しさも違ってきます。
いまビーエムではABSが珍しい装備ではありません。
他のメーカーでも、大型ツーリングバイクに装備されることが
珍しくなくなってきました。
これもあの当時、彼が実用化に向け曖昧な妥協をせず
キチンとした目標の性能まで開発したからこそ
受け入れられるモノとしてのスタートが切れたんだと思います。
でもホントはこういうシステムこそ、
日本のメーカーから提案して欲しかったナァ……。

そうそう、彼の取材で心に残ったことがもうひとつ。
あの頃、日本車はフロントフォークに急ブレーキで前のめりする
ノーズダイブを抑える回路をフォークの中に仕込むのが流行りでした。
ビーエムはなぜそこに手をつかなかったのかと聞いたら、
あそこまで小さなオリフィスを開けたり閉じたりするのは
フォークの組み立て行程で混入の可能性がある切削バリや
使用しているうちに溜まるオイルのスラッジなどで
塞がれてしまったら作動しなくなる。
自分は量産車に組み込むシステムとして
ここまで繊細なモノは相応しくないと思う、
そう言って首を横に振ってました。
「アイデアとしてはわかるけれど、
実用化するにはもう少し完成度を上げないと……
現状だと効果を含めて正直、疑問点が多い。
このままだと一時的な流行りに終わるのでは?」
他を避難することを嫌う彼らしく、
ボソッと意見を加えながら
「これは書かないで……」
と言われたのでどこにも書きませんでしたけど、
彼の予言?通り、いつの間にかアンチダイブって消えちゃいましたネ。
ある意味バイク界の救世主でもあった
ステファン・パハネッグさんの活躍は、
パリで急性の心臓病から突然亡くなるという
残年ながらあまりに短い期間で終わってしまいました。
誠実で、チャレンジングで、
夢多きマインドの持ち主だった彼。
その遺志を継いだビーエムのエンジニアたちは
4バルブの新Rシリーズに
最近では新Kシリーズと、
BMWならではの独創性を大切にしたモデルを積極的に投入し続け
バイク界から撤退するか否かの論議があったなど
P0024756_1 微塵も感じさせません。
もちろん、ABSも依然として進化し続けてます……。

根本健

  • 1948年東京生まれ。小学生から鉄道に飛行機と、オタク街道まっしぐらだったのがナゼかバイクの道へ。ロードレースに憧れ'73年全日本チャンピオン。'75~'78年に世界GPにチャレンジ。帰国後ライダースクラブ編集長となり28年間雑誌づくり人生。最近はビンテージバイクにもハマり、レースやツーリングに楽しみを広げている。

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