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2017年7月14日 (金)

IoTで『服薬』を管理する薬箱。アイデアが短期間でカタチになる医療系API『CareKit』で開発

凸版印刷とデンソーウェーブがiPad連動型の通信薬箱を発表しました。

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↑iPadと通信薬箱はBluetoothで連係。専用アプリで服薬のアラートや通知を出す

ICタグを付けた薬包を箱を管理。朝、昼、晩と飲むために薬を取り出すと箱が服薬状況を取得して記録します。連動したiPadは飲み忘れを防ぐための『服薬アラート』や残薬量を表示するだけでなく、Wi-Fiを介して情報をクラウド上にデータをアップ。それにより、家族やお医者さんにちゃんと薬を飲んだのかを知らせる機能も搭載しています。

凸版印刷はICタグ薬包と通信機能付き薬箱の開発を担当。デンソーウェーブはこの通信機能付き薬箱に組み込む、複数の薬包に取り付けられたICタグを非接触で一括読み取りする920MHz帯RFID読み取り技術を担当しています。

実証実験の結果、服用を促すアラートや画面表示は飲み忘れを防ぐばかりか、遠くにいる家族に安心感を与えることもできたとのこと。また、現在、家庭に残っている薬の量がリアルタイムで即座にチェックできるだけでなく、薬局などでもらえる『お薬手帳』では確認に時間がかかったり、記録漏れが生じていましたが、通信機能付き薬箱があれば服薬履歴も簡単に把握できるようになります。

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↑薬包ひとつひとつにICタグを付けて管理。薬が箱から取り出された情報をクラウドに上げ管理する

この通信機能付き薬箱の開発にはAppleが提供するオープンソースフレームワーク『CareKit』を使って開発されたとのこと。Appleは医学研究向けに『ReserchKit』オープンソースAPIを提供しています。こちらは医療の研究機関などが開発したアプリを介して、被験者から確実ながらこれまでにないほどの膨大な量のデータを収集し研究を進めることができるというもの。

一方、『CareKit』は個人向けの医療にフォーカスしたもので、世界的にこのAPIを使って開発されたアプリの数も増えてきているとのこと。

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↑『CareKit』を使った専用アプリ。UI、UXはテンプレートから選ぶだけでOK。デジタルに疎い年配の方でも、いつもの慣れた操作でアプリを操作できる。

今回発表されたiPad連動型の通信薬箱は『CareKit』を使って開発されました。その大きなメリットは、iOSアプリ用なので対応するデバイスが多いこと。セキュリティの高さが確保されていること。そしてUI、UXのテンプレートが用意されていることにあるといいます。

通常、一からアプリを開発する場合、デジタルに疎い人でも使えるようにUI、UXのデザイン調整は何度も検証を繰り返して行うものですが、『CareKit』ならテンプレートから選ぶだけでOK。そのため、『CareKit』を使えば開発期間を大幅に短縮させることができます。実際、凸版印刷とデンソーウェーブが開発したこの通信薬箱はアイデアから数ヶ月でカタチになったとのこと。

このiPad連動型の通信薬箱は、まだプロトタイプ。薬箱のデザインやサイズ、iPadとの装着方法(iPadはBluetoothで薬箱と連動。ユニバーサルアプリなので、iPhoneでも連動可能)から、お昼に外出するためふたつ取り出した場合の管理方法、そして薬包へのICタグの装着方法やそのコストなど製品化するために考えなければならないことは残っています。

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↑通信機能付き薬箱はまだプロトタイプ。『CareKit』を使えば、服薬状況などをApple Watchに表示させることも簡単だ。

これまでなら、商品化以前、アイデアをカタチにするまでにかかっていた膨大な時間を、『CareKit』は圧倒的に短くしてくれます。『ReserchKit』を活用したアプリが雨後の筍のように増えているように、『CareKit』を使ったアプリ、そしてそれと連動する機器も増えていくはず。

これからの技術として注目を集める『IoT』。その普及は、医療の分野から本格的なものになっていくのかもしれません。

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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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