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2017年7月28日 (金)

10万円で誰でも遺伝子合成できるってホント?【THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2017 TOKYO】

デジタルガレージさんが主催する『THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2017 TOKYO』の1日目にお邪魔してきた。

取材……という体ではあるが、なにしろ私ごときでは受け止め切れないあまり圧倒的に膨大な『知』の表出なので、ちょっとだけ感想文として書かせていただこうと思う。いずれにしても、いずれにしてもほぼ8時間にわたり21人の圧倒的な知識人の方の話を、ひとつのウェブ記事で書くなんて不可能だ。

それでも、驚くようなお話をいくつもお伝えできることは間違いない。

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デジタルガレージといえば、ウェブ界隈への広告、決済、投資、ベンチャー育成などを手がける最先端企業。わかりやすいところでいえば、Twitterにいち早く目をつけ、日本に持って来たのもデジタルガレージだ。

そのデジタルガレージが世界中さまざまなスピーカーを集め、おこなうイベントが『THE NEW CONTEXT CONFERENCE』。今回は1日目がバイオテクノロジー、2日目がブロックチェーンをテーマに開催されたのだが、私はスケジュールの都合上、1日目だけうかがった。

1日目はデジタルガレージの代表である林郁氏のあいさつ、共同創業者でMITメディアラボ所長を務める伊藤穣一氏(写真上)の基調講演を皮切りに、5つの大別されたセッション、21人の登壇者による多くの講演と、対談によって構成されていた。

ともかく、頭の良さそうな人が、続けざまに朝9:30から、夕方18:30まで、多少の休憩はあるにしろ、延々と高レベルのプレゼンテーションを続けるので、凡庸な頭脳しか持たない私としては聞いているだけで知恵熱が出そうだった。
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で、私は良くわかっていなかったのだが、とにかくこれから多くの注目を集める業界になるのが、『バイオテクノロジー』と『ブロックチェーン』なのだそうだ。

1日目のテーマであるバイオテクノロジーだが、とにかく進歩が著しいのだそうだ。そりゃあ理屈では分かっていたが、遺伝子はプログラミングと同じコードの並びで、解析は長足の進歩を遂げているのだそうだ。
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特に一日中何度も、いろんな人が見せてくれたのがこの下のグラフ。DNA解析にコストも、DNA合成のコストも猛烈な勢いで安くなっている。特にDNA解析の費用はムーアの法則をはるかに上回る勢いで低価格化が進んでいる。

10年前には数千億円必要だったゲノム解析が、10万円ほどできるという。さらに10万円ほどで細菌などの遺伝子をプログラミングすることさえ可能なのだそうだ。

ためしに、知識のあるメディアの人が天然痘のような細菌をオンラインで注文したら10万円程度で合成加工されたものが送られてきたという。

ええっ! 遺伝子工学ってそこまで進んでた&一般化が進んでたの?(汗)

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研究所じゃなくて、一般市民レベルでの遺伝子の加工も可能で、なんと電子工作のように遺伝子を加工するバイオハックに挑戦する人が増えていて、なんとストリートバイオなんでいう言葉までできてるらしい。想像を絶する。

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法規制してしまうと、コンピュータのクラッカーなどと同じく水面下に入ってしまうし、そうならないように、表向きのコミュニティを作る方向なのだという。

ほんとうに驚きばかりだ。

これらのテクノロジーは機械学習の進化などにより加速しており、猛烈な速度で進歩しているという。

遺伝子加工のもたらす可能性も飛躍的に大きくなっており、駆使すれば、食料難を解決する高カロリーの食料、逆に超低カロリーの食料、効果的な腸内細菌、などを設計できるという。

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また、植物性の素材から、エビそっくりの食材を造り出したり、

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牛肉を培養して、ミートボールを作ったり……ということも可能になっているという。家畜を殺すことを続けるか、食べられる肉だけを培養するか……ということを選択できる世代もすぐそこになっているのだという。

今のところ、このミートボールひとつを作るのに3000ドル(約33万円)かかっているのだそうだが、そのうちに量産され安価になっていくのかもしれない。

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また、喫緊の課題であり、あらゆる分野の専門家が警鐘を鳴らすと同時に、ほぼお手上げの状態になりつつある地球温暖化問題さえバイオテクノロジーで解決するかおもしれないとのこと。

はるか昔、大気中のCO2が4000ppmだった頃は、大西洋を海水に耐性のあるアオウキクサの仲間が覆って酸素を造り出していたそうだ。ならば、今海水の上でも生きて行けるアオウキクサを作ったら? もしくは他の植物のCO2処理能力をもっと高めたらどうだろう? 人類の危機を解決できるのなら、試してみるべきなのかもしれない。

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もちろん、テクノロジーの可能性を考えるイベントだから、技術の進歩について語られているのかもしれないが、市井の市民としては、そんなにDNAがいじられているのは、ちょっと怖いような気がする。

個人のゲノムデータを唾液を送って、遺伝子解析してもらえるサービスを行っているジーンクエストの高橋祥子さんは、自分の健康リスク、体質、祖先解析などをしてもらえるキットを紹介されていた。

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結果はパソコンやスマホから閲覧できるという。

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この他にも、本当にさまざまなバイオテクノロジーについてのお話があり、それがどこまで進むのか、法的にはどうしていったらいいのか、僕らが議論する前にテクノロジーの方が進歩していっているような気がする。

たしかに、私の話の理解度は高くないかもしれないが、バイオテクノロジー関連の技術は今後も猛烈に進んでいきそうだ。法規制も大事だが、規制しているうちに、海外の技術の方が圧倒的に進んでしまう……というもあり得なくはない。

多くの人がバイオテクノロジー技術について知り、適切な運用を考えなければ、大きな不利益を被るようなことになるかもしれない。これは、誰もがもっと勉強するべき事柄だろう。

(村上タクタ)






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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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