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2017年7月 7日 (金)

100年前、23歳の男が始めたベンチャー企業の話【100BANCH】

昨年、105歳で亡くなった祖母に聞いたのですが、子供の頃は、電気も、ガスも、水道も、なかったそうです。夜は真っ暗闇で、水は井戸から汲んだものだったそうです。

今からおよそ100年前。

そう、ちょうど私の祖母が5〜6歳の子供だった頃、23歳でベンチャー企業を立ち上げた男がいました。

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電球ソケットを発案し、その後、天井からぶら下がっている電灯線から、他の電化製品の電源を取る『二股ソケット』を作ったことで財をなしたこの男は、松下幸之助と言い、現在年商7兆円を超える巨大企業、Panasonicを立ち上げた立志伝中の人物です。

当たり前のことですが、Panasonicも100年前にはベンチャー企業だったのですね。

(余談ですが、『この世界の片隅に』の玉音放送を聞くシーンで、天井の二股ソケットからラジオにケーブルを引くのが描かれているそうです。電灯が、戦争という暗い時代が終わり、成長の時代が始まる象徴して描かれたのかもしません)。

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というわけで、前置きが長くなりましたが、来年100周年を迎えるPanasonicが中核となり、ロフトワーク、カフェカンパニーと一緒に、渋谷の新南口エリアに『100 BANCH』というスペースを立ち上げたそうです。

やっぱり、7兆円の売上のある企業で、コトを起すにはいろいろな社内調整や、社内の上下関係、その他モロモロいろいろあって、もちろん、社内でもいろいろ試みはするけれど、新しい『これからの100年を面白くするためのプロジェクト』として、社外の風も、応援したり、取り入れたりしていこうということらしい。

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使われたのは、もともと倉庫だったビルだそうで(Google Mapsで見ると違う会社の看板が……)、そこをリノベーションしてウェアハウス風のカッコいい建物にしています。

ビルは3階建てになっており、一番上がロフト、2階がガレージ、1階キッチンと呼ばれるそうです。

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3階のロフトスペースは、さまざまなパートナーとのコラボレーションスペースとして、発表会やワークショップなどのイベントに使えるスペース。1階のキッチンは人が集うカフェスペースに。

そして、中心となる2階の『ガレージ』では、これからの100年を作る35歳以下の若者リーダーが立ち上げたプロジェクトを支援するアクセラレーションプログラムが展開されるそうです。

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二股ソケットの現代版を使っているのが象徴的ですね。

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プログラムに入る若者は68件のエントリーから、5月26日に開催された審査会でメンターによって選ばれた13プロジェクト(ふんどしの人が気になりますが、それについては後述)。

ガレージプログラムは随時公募を行い、審査を通過したチームはプロジェクトスペースを無償で使えるのだという。

ただし、場所が使えるだけで、活動資金などは別途調達しなければならない。もちろんPanasonicやそれぞれの会社に認められば、それらの会社から出資が得られる可能性もあるが。また、そこで作られた製品に関する権限は、Panasonicなど主催会社が持つわけでなく、それぞれのプロジェクトが持つ。もちろん、出資などの条件によっては、企業が買い取ったりすることはあるかもしれないけれど、基本的には『場所を貸して、応援する、アドバイスする』というのが中心的な活動になるそうです。

プロジェクトは3カ月ごとに経過を発表し、1年を基準に交代していくことになるという。ここでのメンタリングや、審査には、21人のメンターが協力していくことになるのだそうだ。私の良く知るところではCEREVOの岩佐さんもメンターに名を連ねてらっしゃる。

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実際、どんなことをやっている(やろうとしている)人が参加しているのか見てみたが、デジタル造型に特化したクラウドソーシングとか、街全体を連携させたメッシュ型のコワークとか、在室が分かるシステム構築とか、いろいろ興味深いプロジェクトがありました。

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25歳の工藤大貴さんが率いる『Re:Recipe』は、料理上手のおばあちゃんちで郷土料理を食べるサービス。

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24歳の高橋祐亮さんが率いる『Future Insect Food』は、これからの食料難の時代に先駆けて昆虫食を推進するために『食べて美味しい昆虫料理』を開発するのだそうだ。粉末化して上手に料理すると肉のように感じられる昆虫の料理など、いろいろ考えてらっしゃった。

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24歳の邦高柚樹さんは、魚の養殖と水耕栽培を掛け合わせた新しい農業、アクアポニックスを渋谷で運用したいのだそうだ。

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水槽飼育と、水耕栽培と、屋外での園芸をちょろっとかじった私としては、なかなか大変だとは思うのだけど……面白くはありますよね。

最後に謎のふんどしの人……。

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28歳の星野雄三さん(右)。『世界中でふんどしを楽しむ未来を作る』って、おっしゃっていて、それをここでやる意味が全然わからなかったんですけど、株式会社ふんどし部の代表だそうで、東大大学院で筋生理学を終了し、TEDxUTOKYOのスピーカーも勤めたということなので、もしかしたら、すごい人なのかもしれません。


というわけで、渋谷に『100 BANCH』という新しいプロジェクトが始まったということは覚えておくといいかなって思います。今後も、何か面白いコトが始まって、取材に行けるといいなぁと思います。

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〒150-0002
東京都渋谷区渋谷3-27-1
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    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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