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2017年5月31日 (水)

無限に広い『実用先端技術の見本市』 #COMPUTEX2017 レポート1

いよいよ、COMPUTEX TAIPEI 2017が開幕した。

出展企業約1600、5010ブース出展、世界178カ国から、約4万人の来場者があるというアジア最大級の展示会だ。

今回フリックからは、初めて編集部から取材に行くということで、その概要とフリック!的視点での興味深いポイントをお伝えしよう。といっても、この規模感のイベントのこと。まだまだ、あくまで一切片でのお伝えとなることをお断りしておこう。

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では、まずCOMPUTEX TAIPEI 2017がどういう催しなのかということを説明しよう。

日本の電子産業の栄光と没落はみなさんご存じの通り。JAPAN AS No.1と言われたのも今は昔。シャープは台湾企業の支援を得、東芝はいまもってどうなるかわからない。日本の大企業が戦後の高度経済成長を経て、バブルを経、その先にある苦労を今、かこっている。

そのかわり、台頭してきたのがアジア諸国。

中でも、『世界の工場』としての中国・深圳(香港という外への扉の近くにある)と、台湾のハイテク産業の集積地としての価値は、もはやゆるがせにできないものになっている。

特に、台湾は、iPhoneなどを生産しているという鴻海(ホンハイ)や、ASUS、Acerなどの本拠地であることからもわかるように、高度な電子デバイスを生産する場所となっており、世界中の電子デバイスの実質的な製品生産の中心地となっている。

そこで、開催されるCOMPUTEX TAIPEI 2017の意味は、そういうところにある。

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とはいえ、厳密な意味でいうとCOMPUTEXはハイテク産業の見本市ではない。最先端でもなければ、高付加価値製品の見本市でもない。COMPUTEXが意味があるのはそこが『実用先端技術製品』の見本市であるところにある。つまり、半年、1年後に生産される製品がそこにあるということにある(と、COMPUTEXを主催するTCA(台北市コンピュータ協会)の駐日代表である吉村章氏がおっしゃっていた)。

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と、偉そうに言ってみたところで、私もこの巨大なCOMPUTEXは初取材。どこまでいっても群盲象を評すのたとえからは逃れられないところではあるが、ともかく私的な目線で、説明していこう。

ともかく、一番に会場はめちゃくちゃ広い。それに世貿展館(TWTC)と南港展覧館(TNEC)の2カ所に別れている。そしてこの2つは電車で30分ぐらい離れた場所にある。世貿展館は台北の中心地、世貿101の足もとにある。南港展覧館は地下鉄の板南線の東の端、つまり町外れにある。南港というと海に面してそうだが、そうではない。

その2会場に5010のブースがある。地図を広げてみると、こんな感じ。正直、見ても、見ても終わらないし、いくら歩いてもすべてを取材し尽くすことはできなさそうだ。

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この地図の左端下にズームアップしてみるとこんな細かさなのだ。

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ともかく、1日目は、南港の方から歩いてみた。

南港はスカイドームと言われる4階のフロアには、ASUSなど台湾の企業をはじめとした大企業が出展し、1階に部品メーカーを中心としたメーカーが出展している。

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歩いてみてとにかく痛感するのは、その途方もない広さだ。

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歩いても、歩いても終わらない。

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ASUSなどの台湾メーカーが大きなブースを設けているのはもちろんだが、ここで特に目立つのはゲーミングPCと言われる、ゲームのために高いスペックを持ったPCの展示だ。

日本にも入ってきているが、やっぱりこれはちょっと独特な文化。とにかくチューンされたCPU、GPUを使い、冷却して、さらにハイパワーを得る。もともとは、対戦型ゲームで勝利するためのチューンだったのだろうけれど、もはやチューンすること自体がひとつの競技になっているような気もする。

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冷却用窒素の巨大なボンベが立ち並び、冷却パイプがはい回り、LEDライトで飾り立てられたゲーミングPCは、公道の埠頭でゼロヨンレースに明け暮れるチューンドカーのセンスに近いもしれない。

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とにかく筐体は巨大で、派手なデザインが施されている。

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もはやコンピュータなのかどうかわからないようなものもある。

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冷却水がぐるぐる回りながら、LEDライトでびかびか照らされている。

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なにかチューンの競技会が開催されていたり。

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冷却のための液体窒素が、がんがんと供給されていたりする。いったいどういう競技なんだろう(笑)

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デモでは3D系のゲーム、つまり、ドライブゲー厶や、FPVのシューティングゲームが数多く展示されていた。中でもVRゴーグルで遊ぶシューティングゲームが大きなスペースを割いて展示されていた。

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私もASUSのROCVRというのに挑戦してみたが、あっという間に敗退してしまった。

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しかし、体感としては、完全にゲームの中に入って戦えるゲームとなっているので、なんかついに子供のころに夢見た、完全に空想の世界に入り込むことができるようになった感がある。

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それ以外にも、さすがお膝元だけあった、ASUSの展示は多岐にわたっていた。

最新モデルのZenBook 3 Deluxeをはじめとして

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ありとあらゆるフォームデザインのパソコンが発売されている。

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◦◦に似てるとかいう批判は思いつくが、とにかく世界中のこういう製品は台湾で生産されているのだから、台湾の企業がキャッチアップしてより優れた製品を作ることができるというのは当然でもある。

ディスプレイも狭額化がより進み、湾曲したタイプがプッシュされていた。

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これはユーザー目線でいうと、かなり見やすい。

また、持ち運べる15.6インチの、モバイル外付けディスプレイは気になった。

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これはUSB-Cで接続するということで、現地の説明印の人によると、MacBook Proでも動作するとのことだった。ただし、電源もパソコン本体から取るそうなので、これはかなり消耗が激しそうだ。

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ASUSはZenboというロボットも展示していた。顔面部分がディスプレイになっており、音声認識で動作し、IoTデバイスとしても動作し『Zenbo、部屋の電気を点けて』とかで照明を点けたり、『Zenbo、◦◦について調べて』といって調べものをしたりもできるようだった。

実際のデモでも、多少の間違いは起こりつつも進行していたし、あの電波が混乱し、音声もにぎやかな場所で動作するということは、かなり実用的に練り込まれているように見えた。


Mac系、iPhone系展示はほんのわずか。iStyleというくくりで展示が行われているが、スペース的にはほんのわずかだ。

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もちろん、わずかといっても、この広大な展示会場に比べれば……ということではあるが。

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ここでは、AppleのMFi(Made for iPhone/iPad)認証を受けたデバイスを中心に展示されている。

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こんな、USB-A、micro USB、Lighteningなんでもありのカーチャージャー。

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モバイルバッテリー、ヘッドフォン出力アダプター、Wi-Fiルーター、Apple Watchチャージャーを兼ねた製品なんていうのもあった。

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USB-A出力、Lightening出力に加えて、Φ3.5mmピンジャックに接続すると、音楽を聞くこともできるし、Apple Watchさえ充電できるというのだ。すごい(笑)

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面白デバイスではあるが、これがあると荷物が少し経るかもしれない。一部機能を省略した小型版もある。

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こういうデバイスもずらりと並んでいる。日本に来るデバイスの方が、いろいろちゃんとした試験を経て改良されてはいるのだが、ボディ形状、ポートの数などについては、今後、どんなものが日本に入ってくるのか、予想する助けになるかもしれない。

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こちらは、lighteningケーブルでもあり、USBメモリでもあるデバイス。iPhoneで取った写真をパソコンなどに移動させるのに便利。

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こんなに薄いモバイルバッテリーも。

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これで5000mAhなのだそうだ。

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バッテリーといえば、とっても興味深い展示もあった。

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Prologiumという会社の技術なのだが、リチウムポリマーより、薄く、軽く高密度で、安全なバッテリーだというのだ。

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こんなに薄くて軽くもできるし、曲げることもできる。

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切っても燃えたりせずにそのまま使える(リチウムポリマーなら内部の液が化合してガスが発生して燃えてしまう)。

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水に浸かっても大丈夫!

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これで、1万mAh。たぶんリポより軽い。

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そのほかにも、折り畳み式の薄型キーボードや、コネクターなどもたくさん展示されていた。

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つぶさに見ていけば、さらに面白いアイテムがありそうだったが、とにかく展示が多くて見切れない(笑)

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明日はいよいよ、本殿である世貿の方の展示をレポートしたい。

あ、そういえば、今日は前半部分がEOS M5、途中で電池がなくなってからはEOS 6Dである。こういう取材だと、軽いM5の方が楽なのは言うまでもない。6Dの方が後ろをボカしたりして、商品を際立たせることができるかな……と思ったが、仕上がりを見ていると大差はない。……となると、M5の方が軽くて便利だなぁ……と思う。


(村上タクタ)


















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flick! editors

  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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