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2017年4月20日 (木)

学校の特殊事情に最適化した、バッファローの無線LANアクセスポイントは、何が違うか?

我々にとっては「おもいでばこ」でおなじみのバッファローさんが開催された、ICT教育のモデル授業の取材に行ってまいりました。

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学校において「一人一台」のコンピューティング環境を実現するための、無線LANアクセスポイントとして、学校での使用状況に最適化したWAPM-2133TRというルーターをバッファローが発売したのだが、その実際の運用状況を取材させていただけるということで、今回の取材となった。

取材させていただいたのは、埼玉県飯能市にあるキリスト教系中高一貫の私立校の聖望学園。その中学2年生の数学の授業にお邪魔した。

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学校での無線LAN利用の特殊な問題は、おおきく分けて2つある。

ひとつは、途絶を可能な限り避けたいということ。たとえば、会社環境などでは周波数帯切り替えのために1分ぐらい途絶したとしても「あれ? 繋がらない。あれ? あれ?」ぐらいで済んでしまう。しかし、学校のわずか40〜50分の授業の中で、1分も途絶すると、その間に生徒の集中力が切れてしまい、生徒の集中を再び同じところまで持ってくるのに、大きく時間をロスすることになる。

もうひとつは、20〜50人ぐらいの教室で、「はい、ではこのファイルをダウンロードして下さい」と言うと、同時に一気に負荷が高まるという点。会社などでは、そうはいっても多くの人が瞬間的に同じ動作をするということはなく、負荷は分散されている。

また、従来の授業形態から、デジタル教科書などの運用が本格していく今後、音声データや動画データのやりとりが多くなり、データ転送量が従来の10倍以上に増えていくことも予想される。学校の無線LAN環境にかかる負荷は想像以上に大きいにのだ。

ここの設備をおろそかにすると、生徒たちが必要なファイルを即座にダウンロードできなかったり、画像の共有ができなかったりして、授業が著しく滞ることになる。ひとりのトラブルもなく、画像を開いたり、ファイルを共有したりできることは、ICT教育において、非常に重要な課題であるのだ。

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取材させていただいた聖望学園では、iPadを利用されていた。

iPadが、指定教材となっており、リース代と月額の校外でのLTE通信費(3GBの契約)は父母の支出となっている。使ってるiPadは9.7インチのもので、授業で主に使うのはMetaMoJi Shareの学校版MetaMoJi ClassRoom

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先生は、自分のiPad(Proの12.9でした)をApple TV経由で電子黒板に表示。電子黒板上でかき込んだりしながら使われていた。

MetaMoJi ClassRoomは、PDFをはじめとしたさまざまな資料を共有・表示でき、その上に手書きできるアプリ。手書きで自由に書き込むこともできるし、手書き文字認識mazecを使ってテキストを入力することも、写真や動画を貼り込むことも、録音したりすることも、それを2500倍までシームレスに拡大縮小したりすることもできる。

さらに、そのファイルをグループで共有したり、先生がモニタリングしたり、全生徒分を先生のiPadに表示したり、そのうち一人の画面を先生のiPadに表示して、電子黒板に投影することもできる。

おおよそ、理想の電子的な学習デバイスに必要なことは、すべてここにあると行ってもいい(ちなみに、私はこのスタンドアロン版であるMetaMoJi Noteで取材のメモを取っている)。

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授業では、先生も生徒達も驚くほどナチュラルにMetaMoJi ClassRoomの機能を使いこなしていた。授業で実際に使われているのを初めて拝見したが、これは便利だと思った。

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上は先生が自分のiPadの、クラス全員の画面を電子黒板に投影している様子。「理解できた人は枠を青くして」みたいなことも可能。

先生が板書している時間に生徒たちが気を散らすようなこともなく、また生徒たちがそれをノートに写すために時間が必要なこともない。貴重な授業の時間を、対話し、思考することに費やせるのだから、これは大きい。手を動かして書くことが記憶に必要だというのであれば、それは家でやればいい。同じ教室にいる貴重な時間は、思考やアドバイスに費やすべきなのだ。

さて、この教室で使われているのが、バッファローの新製品WAPM-2133TR。

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仕様上、ひとつのバンドで最大128台、3バンドで384台の接続が可能で、実際に80台の同時動作もテストで行っているという。

聖望学園の中学には10教室と、職員室、理科室、講堂に無線LANアクセスポイントが設置されており、この新型が導入されたのは2教室。

実はこの聖望学園が取材の会場に選ばれたのにはワケがある。この聖望学園、入間基地、横田基地、朝霞駐屯地、所沢通信基地などが近くにあり、航空レーダーの影響を強く受ける。

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航空機の安全運用のために、すべての5GHz対を使う無線LANルーターは、航空レーダーと周波数帯がカブった場合、他の周波数帯にホップすることになっている。その際に切り替え先の周波数を1分間観察して、問題なければ移動する使用になっている。これはバッファロー製のみならず、すべての無線LANルーターがそういうルールで設計されているのだ。

この際に1分間途切れてしまうことになる。学校以外の環境なら1分間ぐらいのたまの不通は許容されるし、W52と呼ばれる航空無線の影響を受けない周波数帯もあるので、さほど問題にはならないが、学校の場合教室ごとに違う周波数帯を使っていくとW52だけでは足りなくなるし、1分間の中断が生徒の集中を著しく損ねることもあり得る。この問題をDFS(Dynamic Frequency Selection)障害という。

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WAPM-2133TRはこの問題に対する対策として、あらかじめ空いてる周波数帯をチェックしており、DFS障害が起こった時に瞬時に切り替えることができるようになっている。

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バッファローのシステムとして、この障害などをモニタリングすることができるが、実際に1週間に16回のDFS障害が発生しているのだそうだ。また、聖望学園での頻度こそは多いが、他の都市圏でも同様な問題は起こるのだそうだ(たとえば、東京だって羽田の影響などを受ける)。

動画再生中にDFS障害と同じ状況を作りだしてみた映像を拝見したが、再生が止まってしまったりする端末が発生し、これではたしかに困るなぁ……と思った。

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WAPM-2133TRはDFS障害回避機能(バッファロー提供の関連動画)に加え、5GHz1系統、2.4GHz1系統のトライバンドによる安定した通信環境(バッファロー提供の関連動画)、ひとつの端末で障害が発生した際にその影響を他が受けてしまわないように、多数の端末の通信を均等に配分する「公平通信制御機能」(バッファロー提供の関連動画)などをサポートしており、学校での利用に最適な無線LANルーターとなっている。ちなみに定価は9万9800円(税別)。

学校でのICT教育の必要性が叫ばれて久しいが、スムーズに動作する端末やアプリケーション、MDMの運用なども大事だが、すべての生徒がスムーズに快適に通信できる環境も非常に大事なのだなぁ……と感じた取材だった。

(村上タクタ)

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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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