デジタルガジェットとウェブサービスに関する最新ニュースを、電子雑誌『フリック!デジタル』と連携してお届け! [ Flick! 毎月20日発売 ]

« 【12月31日まで!】 Omoidori、iPhone 7版へのアップデートした? | メイン | App Storeが元日に1日で約280億円を売り上げ、最高記録更新 »

2017年1月 5日 (木)

Thunderbolt 3と USB-Cに関する、知っておきたい面倒な真実

とっても便利で高速な夢の規格……なんだけど

新しいMacBook Proに搭載されたThunderbolt 3、どういう規格かご存知でしょうか? 簡単にいうと、とっても便利で高速な夢の規格……なのですが、深く掘っていくと、いろいろ知っておいた方がいいことがたくさん出てくる複雑な規格でもあります。

01

この規格について、現時点でとりあえず我々一般ユーザーが知っておきたいことを3つの階層に分けて紹介してみましょう。

Level 01 便利で高速な夢の規格

USB-Cコネクターを使うThunderbolt 3は、裏表どっちに挿しても大丈夫。挿入感もカッチリしてて安心感があります。データ転送の最高速はなんと40Gbps。変換コネクターを使えば、電源、データ転送、モニター接続、ネットワーク接続、なんでも来いの夢の規格だといえるでしょう。

最近一般的に普及しつつあるUSB-Cタイプのコネクターを使うUSB 3.1の上位互換性を持った規格なので、これから普及していくであろうUSB-C(USB 3.1)の周辺機器の多くが使えるし、ストレージなどは基本的には挿せば繋がる……という感じなので、とっても便利です。

ちなみに、USB-Cというのがコネクター形状の規格で、変換コネクターを使えば、ここ20年ほどで圧倒的に普及しているUSB-Aのコネクターを使うデバイスを接続することができるので、不便に感じることはほとんどないでしょう。

Level 02 Thunderbolt 3とUSB-C(USB 3.1)の違いは?

USB-Cはコネクターの形状の規格で、USB 3.1はデータ通信の規格という認識でいいと思うのですが、Thunderboltの事を考慮に入れない場合、USB 3.1のこともUSB-Cと呼んだりするのがちょっとややこしいところです。

たとえば、昨年、発売されたMacBookの12インチモデルもUSB-C接続と表記されています。それに対して、Late 2016のMacBook ProはThunderbolt 3。このふたつはデータ通信の速度が大きく違います。違うけど、いまはまだまだ我々一般ユーザーにはあまり関係のない話だとも言えます。そのあたり、どのぐらいヘビーに使うかで話の方向性が変わってくるのが、ややこしいところです。

Thunderbolt 3はMacの規格だと認識している人も多いと思いますが、そもそもはIntelが中心となって策定した規格で、MacユーザーにはおなじみのThunderbolt 2(さらにはDisplay Port)の規格も内包しています。

Flick_digital_2017_02_200dpi_size_2


そもそも、Thunderboltは、USBよりも専門的な領域、ビデオ編集や3D描画などの大量のデータを高速でやりとりする業務のために用意されている規格です。つまり、プロ用のビデオ編集で、高価なハードディスクやSSDを何台もレイド接続してストライピングで動作させるような環境で、快適に使えるようにするためにMacには採用され続けているといえるでしょう。条件をちゃんと整えれば40Gbpsという高速データ転送が可能なThunderbolt 3は、一部のユーザーにとっては非常に楽しみな仕様です。

また、ディスプレイ接続に使う場合にも、データ転送速度が接続できるディスプレイサイズを既定するので、5K60Hzディスプレイや4K 60Hz×2枚の場合はThunderbolt 3接続でないと追いつきません。

Flick_digital_2017_02_200dpi_size_l
だから、そういう状況で使うのでなければ、USB-C規格(正確にはUSB 3.1の規格だが、メーカーサイトなどでもThunderbolt 3に対してUSB-Cコネクターで接続し、USB 3.1で情報をやりとりする接続をUSB-Cと表記することが多いので、ここでは便宜上USB-Cと表記します)でほぼ問題ありません。現時点では一般的なUSB 3.0(内側が青いUSB-Aポート)で5Gbps。つまり一般的に安価で販売されているハードディスクなどを変換コネクターを介して接続している限りは、10GbpsのUSB-Cだろうが、40GbpsのThunderbolt 3だろうが違いはほとんどないのです(たくさんの機材を1ポートに繋がなければ)。

Usbc_numbers



たとえば、MacBook 12インチもUSB-Cだし、実はフォーカルポイントのTUNEWARE ALMIGHTY DOCK C1もUSB-C規格です。Thunderbolt 3ほどのポテンシャルはありませんが、現状で十分に使えますし、事実95%の人にとってはこれで十分なハズです。残りのもっと高速な規格を必要とする少数のエキスパートは、おそらくそもそもの仕様の違いを知っているはずです。

09



Level 03 どんな性能のケーブルか覚えておかなきゃ!

とはいえ、今後、全体のやりとりのデータ量が増し速度が速くなってきた時に、USB-CやThunderbolt 3の性能を十分に引き出そうとするなら、仕様についての理解が必要になってきます。

たとえば、USB-CもThunderbolt 3も最大で20V 5A、つまり100Wの電流を流せるのですが、それに対応したケーブルであるかどうかは内蔵された認証チップで判断します。つまり、対応したケーブルでないと、十分な電流、電圧では充電されません。

さらに、データ通信速度側でも機材とケーブルの仕様を十分なものにしないと、性能を発揮できません。仕様上最大速度の40Gbpsを発揮するためには、パソコンがThunderbolt 3に対応しているだけでなく、接続されるデバイスも、たとえばストレージならその速度を活かせる超高速なストレージでなければならないし、ケーブルもThunderbolt 3アクティブケーブルの2m以内の長さもののか、オプティカルケーブル(60m以内)を必要とするのです。たとえば、MacBook Proに付属している電源ケーブルも、このデータ転送仕様は満たしていない模様。

つまり、高速データ転送の必要があって、そのためのケーブルを調達したり、電源供給用のケーブルを手に入れたら、キチンと印を付けて、仕様が判るようにしておかないと、本来の性能を発揮できなくなる可能性もあるというわけです。

ともかく、現状便利な仕様ですが、後々高速なデータ転送が必要になった時にいろいろ知識が必要になるということと、自分の持ってるケーブルがどんな仕様かは一応把握した方がいいということになります。

筆者の手元にも、すでに仕様のわからないUSB-Cコネクターのケーブルが何本かあって、どうしたものかと思っています……(汗)少なくとも、もうすぐ届くはずのLGの5Kディスプレイの接続ケーブルは40Gbps仕様、かつ100Wを通せる高級なケーブルなので、これには何かラベルを付けて、大事にせねばと思っています。

みなさんも、高規格なUSB-Cケーブルを入手した場合には、今後に備えて何らかのマーキングをしておくことをお勧めします。

ちなみに、Thunderbolt 3、USB-Cに関する詳細は、フォーカルポイントの恩田さんと西山さんにうかがいました。いろいろとありがとうございました。

10 (↑西山さん。恩田さんはSkypeで応じて下さったので、MacBook Proのモニターの中)

さらに詳しいお話は、3連休明け、1月10日0時配信予定のフリック!2月号(Vol.64)でご覧下さい。



(↑予約注文受け付け中です!)

(村上タクタ)

コメント

コメントを投稿

flick_twitter+facebook



このチームが作っている本のブログ

  • 【このチームが作っている
    本のブログ】




flick! editors

  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

flickの広告バナー