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2016年12月12日 (月)

人工知能に興味ある人も、ない人も【よくわかる人工知能・清水亮著】

フリック!でも時々取材させていただく、清水亮さんが執筆された『よくわかる人工知能——最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ』を読みました。

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簡単に言うと、人工知能に興味のある人もない人も読んでおくべき本です。

面白いし、ためになります。

だって、もうじき多かれ少なかれ人工知能が我々の仕事に入ってきて、一部では圧倒的に勝利を収めて、ある場所では我々の仕事をうばっていきますから。関係ない人はあまりいなさそうです。

たとえば、ディープラーニングを使って、コンビニを出店すべき場所を解析したら、人間のこれまでの理屈では『こんなところに?』というようなところに出すと実は回り回って利益を生む……というような場所が解析できるでしょうし、コンビニチェーンのうち先にディープラーニングを導入したところが圧勝を収めるということになりそうです。あらゆる業態でそういうことが起こるとのこと。

我々の出版という仕事だって無縁ではなくて、たとえば複数の表紙案のウチ、どちらが売れそうななんていう課題については、過去に出版された本すべて表紙画像データと売れ行きのデータがあれば完全に解析されてしまうでしょう。

また、写真を見てキャプションを書くぐらいのことも出来るそうです。そればかりか、キャプションを取り込んで写真を生成することもできるそうです。なんだそりゃって話で、それは人間には難しいですが……。

ともあれ、そういう意味では、ほとんどの人の未来にとって無縁じゃない話です。

一部は理系でコンピュータに強い人にしか理解できないかもしれませんが、全体的には文系でそれほどカシコイ方ではない僕にも理解できたので、多くの人はスラスラ読めるんじゃないかと思います。

全体の構成は最初に、東大の松尾豊准教授との対談で、人工知能というかディープラーニングについての概略が語られ、それから、どのように活用されるかの例としてトヨタの岡島博司さん、進化を支えるハードウェア側の話としてNVIDIAの村上真奈さん、活用するサービス側としてYahoo! JAPANの田島玲さんとの対談があり、その先の話として受動意識説の慶応大教授前野隆司さん、人工知能研究にはホルモンの要素が必要と語る慶応大准教授満倉靖恵さん、人工超知能についてドワンゴ人工知能研究所の山川宏さん、人工知能の長足の進歩を国産の独自ハードで企図するPEZY Computingの齋藤元章さん……との対談が続きます。

どれも対談だから、非常に読みやすくて分かりやすいですし、何より、話を聞いてるのがシロウトでなくて清水さんなので、深い所にズバっと話が切り込んでいって、さらに僕らシロウトにも分かりやすくひも解かれています。

というわけでお勧めです。

で、ちょっと本題と違う話なのですが、人工知能と関係ないところで、僕にとって興味深いところがいくつかありました。

ひとつはトヨタの岡島さんのところで、自動運転についての話が出てきます。自動運転では画像解析とか判断のところでディープラーニングが非常に役立ちそうなのですが岡島さんが『とはいえ難しい部分もあります。絶対にセンターラインをはみ出さないようにするとか、あるいは制限速度を守ってさえいれば必ずしも安全に直結するかっていうと、ケースバイケースなわけです』っておっしゃっていいること。

僕が自動運転において非常に懐疑的というか疑問に思っていたけど、上手く表現できないと思っていた部分をずばりと言い当ててらっしゃって、『ああ、さすが車メーカーの人は分かってる。この点を理解して下さっているなら自動運転にも可能性があるかも!』って思った部分なのです。

つまり、混合交通の中で僕も含めてかならずしも遵法運転というワケではない。そこで自動運転車だけが正論で、運転されちゃたまらない……と思っていたら、そこがちゃんと討論の俎上に上がっているということで安心したワケです。

しかし、それこそ日本においては法律の方に変わってもらわないと解決できない問題かもしれませんがね。

あとは、Yahoo!さんの話の中で、同じ題材のニュースが多数あった時に、人工知能がひとつに絞ってる(弊社も記事をYahoo!さんに提供しているので)っていうところで『ヲイ!』って思ったのと、満倉さんのところの腹側被蓋野の話ですね。このへんは、まぁ読んでからのお楽しみ……ということで。

というわけで、みなさんにお勧めの一冊でした(他社さんだけど(汗))。

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flick! editors

  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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