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2016年10月12日 (水)

『治るという前提でがんになった——情報戦でがんに克つ』を読んだ

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この春、私たちが作ったもしもの時のためのデータ管理術『デジタル終活』の巻頭に出ていただいた高山知朗さんが本を出された。

『治るという前提でがんになった——情報戦でがんに克つ』という本で、幻冬舎から1100円+税で出ている。

私は、47歳なのだが、この歳になると、近親者や友人にガンで世を去った人が何人かいる。

若く、幸せの絶頂だった人の命をあっという間に奪っていく病気だし、抗がん剤や放射線治療は非常に苦しく長いものだと聞く。世を去った友人と、その去り際まで SNSでやりとりしていたこともあるが、本当にやるせなく、無力感を感じた。

また、当然『自分ががんになったら?』ということも当然のことながら、考える。妻子を持つ人間として、どう行動すればいいのだろうか? 勇気を持って戦えるのだろうか? 見苦しく命にすがるのだろうか? 逃げ惑うのだろうか? 当然のことながらがんを補償する保険にも入っており、妻子が路頭に迷うことはないようにしているが、それでもまだまだ成人にはほど遠い子供たちを残して死ぬことを思うと、心臓を冷たい手で握られたような心地がする。

高山さんは、40歳の時に脳腫瘍で5年生存率(5年後に生きている可能性)が25%、42歳で白血病で5年生存率40%という告知を受けて、生き残ったサバイバーだ。

それも、ただ幸運で生き残ったわけではない。

最初の発症時に1歳だった『娘の二十歳の誕生日に娘と妻と一緒においしいお酒で乾杯してお祝いする』という目標を立て、可能な限りの情報を集め、医師の方々と相談し、知人の方から知恵を得、恐怖を押し返し、論理的に考え続けて、文字通り総力戦でがんと闘って生き残られたのだ。

本書は高山さんのがんとの戦いの記録だ。

どうやって、最初に病気が発覚したか? 告知の時に人はどう考え、どう行動するのか? どうやって病院、お医者さんを選べばいいのか? セカンドオピニオンが欲しい時にどうすればいいのか? 闘病にお金はどのぐらいかかるのか? そのために平時に何をしておけばいいのか? 手術、抗がん剤、放射線治療にどう対処すればいいのか? 個室、2人部屋、大部屋、病室はどう選べばいいのか? 代替医療の甘い罠にどうやったら、落ちないか? それを勧めてくる人にどう対処すればいいのか……? そんなことがすべて書いてある。

また、がんになった人は周囲の人にどう接して欲しいのか? 見舞いなどはどのようにすることが望まれているのか? どういうことを言って欲しいのか? どういうことを言われたらストレスを感じるのか……? などについても書かれているから、周囲の人がガンになった場合にも参考になる。

さらに、『死ぬかも知れない』という人生最大の恐怖との戦いの方法が書かれているわけだから、ハッキリ言って他のすべての問題(仕事や、恋愛や、人間関係などなど)がいかにささいな問題、解決可能な問題であるかにも気がつく。

というわけで、控えめにいっても、ある程度の年齢になった大人の必読書だと思える。すべての困難と戦う勇者のための導きの書だ。



(村上タクタ)

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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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