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2016年10月26日 (水)

Apple Pay体験24時間と、アップル社VPに聞いた話 

Suica対応で、日本は一気にApple Pay先進国に

Apple Payが日本に上陸して24時間が経った。

私も、使えるようになってすぐにSuicaとクレジットカードをiPhone 7に登録し、せっせと使っている。

Img_1958
TSUTAYA TOKYO ROPPONGI店にて。撮影許可を得て撮影しています。)

アップルのApple Pay担当VPのジェニファー・ベイリーさんによると
「日本は世界で12番目のアップルペイが使えるようになったマーケットです。」
とのこと。

アップルがアメリカでApple Payをスタートさせたのは2014年の秋のことだから、日本へは2年遅れての導入となる。しかし、多くの事業者と契約を結んでいかなければならないインフラに近いシステムだけに、時間がかかったのもやむを得ない側面がある。とにもかくにも、日本で使えるようになったことを喜びたい。

Suica_iphone

「世界では1週間ごとに100万人の人がApple Payを使い始めています。Apple Payは日常生活を大きく変える技術です。このApple Payを日本に導入するにあたって、アップルは日本で使われているNFCタイプFを組み込みました。 NFCタイプFを利用するFeliCaは、1日に1億6000万件も使われている日本で主流のシステムです。今回、Suicaを運用するJR東日本の大きな協力を得てApple PayにSuicaを搭載することでができました。」

「Suicaは4500以上の駅、3万台以上のバスで使われており、さらに日本中に提携交通機関があり、コンビニをはじめとした店舗で使うことができます。また、日本の主要な金融機関と協力し、iD、QUICPayを使った決済をApple Payで行うことができるようになりました。」

ということで、肝心なポイントは、NFCタイプFであるSuicaが特別に導入され、クレジットカードもiDとQUICPayというふたつの電子決済方式に対応して、使えるようになったということにある。

iPhoneで、新たにSuicaを作るのが簡単

いろいろと複雑な情報が飛び交ったが、一番簡単な方法は、既存のSuicaを取り込むより、SuicaアプリでiPhoneの中に新しいSuicaを作ることだと思う。

そこに、お金をチャージすればもうiPhoneをApple Pay端末として使うことができる。

チャージは普通の電子決済のようにクレジットカード番号を入力することでも行えるし、Apple Payに使えるクレジットカードをApple Payとして登録することで、そこからチャージすることもできる。

Img_1944

この方法なら最寄り交通機関がJR東日本でない人でもSuicaを使える。そして、多くの交通系カードはSuicaと提携しているハズなので、最寄りの鉄道や地下鉄に乗ったり、コンビニ決済に使ったりできるはず。

8割方のクレジットカードは登録可能

ちなみに、事前にVISAが使えないとか、いろいろとウワサが飛び交ったから複雑に感じている人が多いようだが。日本のカード決済金額のうち、8割を占めるカードが登録可能ということなので、多くの場合手持ちのカードでなんとかなるのではないだろうか? 

もし、ダメだったとしても、近いウチにAppleとの契約が締結されてば使えるようになるはず。

Img_1932
日本ではすでに100を越える金融機関との提携が発表されている。特に日本で6割のシェアを持つと言われるiPhoneで使えないという状況に大手の金融機関が長い期間甘んじるとは思えない。今使えないクレジットカードも近いウチにきっと使えるようになるだろう。ちなみにアメリカでは、2年前のサービスイン時には6社との契約だったものが、今では3000社以上との契約になっているそうだ。

心配する必要はないと思う。

とはいえ、現時点での条件をもうちょっと説明しておこう。

Apple PayのSuica利用の条件とは

まず、iPhoneは7か7 Plus。iOSは最新の10.1にアップデートすることが条件。Apple Watchはこの秋発表されたApple Watch Serise 2で、WatchOS 3.1にすることが条件。

iPhoneもApple Watchも日本国内で販売されたモノでないといけない。

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FeliCaカードは現状Suicaしか使えない。こちらはJR東日本の大きな協力とプッシュがあったようなので、他社のFeliCaが使えるようになるには少し時間が必要な気がする(根拠のない推測だが)。

iPhoneのSuicaアプリで新規アカウントを作るのが一番便利な方法だが、プラスチックカードのSuicaからアカウントを吸い出すこともできる(詳しくはこちら)。吸い出したあとのSuicaカードは使えなくなるし、戻すことはできないので破棄するしかない。Suica機能付きクレジットカードのSuica部分を吸い出すことはできない(これが、事前に良いとウワサされたSuica付きViewカードを用意した人が混乱した理由)。

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Suicaはクレジットカードと違って、カード(もしくはデバイス)側に情報を保存するので、ひとつしか存在できない。つまり、iPhoneで読み出すとカードは使えなくなるし、Apple Watchに移動すると、iPhone側では使えなくなる。

移動は比較的簡単だが、相互通信とともにインターネットへの通信も行われるので、移動する時は安定した通信環境があった方がいい。Facebookの知人に移動させている時に列車がトンネルに入ってしまい、iPhoneでもApple Watchでも使えなくなったという人がいた。また、Suicaを使って乗車中はカードの移動はできない。

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ちなみに、その端末を紛失したり、壊したりしても、その端末での利用を停止すれば、残金は別の端末に登録して使うことができる。

Apple Payのクレジットカード利用の条件とは

クレジットカードはいろいろ混乱したが、まずは使えるかどうか試してみるのが一番簡単(笑)

いわゆるJCB、VISAなどのカード国際ブランドと、三井住友カードやVIEW CARDなどのカード発行会社がごっちゃになっているところが混乱の元ではあるが、対応会社はこちらを参照のこと。公式情報としては、イオン、au、オリコ、クレディセゾン、JCB、ソフトバンク、TSキュービック、dカード、ビューカード、三井住友カード、楽天カードが使えるとされており、MUFGカードも近々使えるようになるようだ。

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カードはSuicaとクレジットカードと合わせて、8枚まで登録できる。

Suicaと違って、カードを登録してももちろん元のカードは使える。また、iPhoneからApple Watchに登録しても、iPhone側から消えるわけではない。つまり、Suicaは移動だが、クレジットカードはコピーなのだ。

Suicaへのチャージは、通常のクレジットカード番号を入力しての方法でもできるし、Apple Payに登録したカードからもできる。特にApple Payに登録したカードからのチャージは簡単で、Apple Watchからでもできる(ただし、通信環境としてのiPhoneは必要。ちなみに支払いだけなら、Apple WatchだけでiPhoneなしでも可能)。

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通常、金券などを購入した際にはポイントが付かないので(それがOKだと、ポイントでポイントを買ってグルグルループしてしまう)、Apple PayでSuicaにチャージしてもポイントは付かない。ただし、VIEWカードだけはオートチャージが可能で、しかも1.5%のポイントが付く。これまた、私の私見だが、VIEWカードはSuicaを出しているJR東日本のカードだから可能なことで、当分他が追従できないVIEWカードだけのメリットとして存在し続けるのだと思われる。

Apple Payは生活を変えるか?

実際に私はApple WatchとiPhoneでApple Payを使っているが、驚くほど生活が変化している。

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もちろん、私はここ10年近く電話はiPhoneを中心に使っているので、ガラケーやAndroidで可能なおさいふケータイは使ったことがないから、おさいふケータイ利用者の方は、この先進的な支払い環境に近いものを使ってきたのだろう。だが、日本のスマホマーケットの6割を占めるというiPhoneが対応していくことで、インフラ側の対応も加速するだろう。そうなると、キャッシュレスで生活可能な環境はさらに広がっていくだろう。

ちなみに、SuicaはApple WatchでもiPhoneでもかざすだけ。電源が入ってさえすれば、アプリを立ち上げたりする必要はない(優先するSuicaをエクスプレスカードに指定しておく——エクスプレスカードは新幹線のアレとは関係ない……少しややこしいのだが。このエクスプレスカードという仕組みは日本のために作ったのだから、混乱しないネーミングにして欲しかったが)。

クレジットカードの場合はiPhoneならTouch IDに指を置く。Apple Watchの場合は腕に付けてロックが解除された状態で、サイドボタンを2度押しして、カードを表示する必要がある。これらは、本人が使っているという認証の意味もある。

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(撮影協力、用賀倶楽部。用賀倶楽部はiDに対応している)


この原稿執筆時点で、使い始めて2日が経とうとしているが、Apple Payで電車に乗り、タクシーに乗り、自販機からジュースを買い、昼食代、夕食代を払い、ペンやノートを買い、コンビニの支払いを行い……ほどんとの支払いをApple Payで済ませている。現金を使ったのは、Suicaに対応していなかったコインパーキングと、カード非対応だった飲食店の支払いの2回だけだった。

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(撮影協力、全国タクシー)

これが加速すれば、間違いなく小銭入れも、クレジットカードも持ち歩かなくなると思う。

特にApple Watchでの支払いはポケットに手を突っ込む必要もないから、大昔の近所の行きつけの店で可能だった『人力顔認証による後払い』……つまり『顔パス』による『ツケ』に近い快適さがある。自販機の前に立って、腕をかざしてボタンを押して腕をかざす……という動作も慣れてくるとお金を支払っているという感覚さえなくなってしまいそうで少し怖い(笑)自販機から好きなものが出てくる感じなのだ。

飲食店での支払いも、Suica、iD、QUICPayを選択するやりとりが少し面倒だが、それでも財布から小銭を選んだりおつりをもらったりすることを思うと簡単。

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数年したら、物理的な音楽メディアを使ったり、FAXを使ったりするのと同じ程度には、現金で支払うのが古くさいことに変わっていくかもしれない。これは我々の人生の中でも大きな転換点かもしれない。

iPhone 7/7 Plusを持ってる人は、とりあえずSuicaアプリからSuicaを作って、1000円でもいいからチャージして使ってみてほしい。話を聞くのと体験するのはまったく違うことだからだ。

(村上タクタ)

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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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