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2016年6月 1日 (水)

思い出を今のウチにデジタルデータに【PFU Omoidori】 #Omoidori

しばらく前からティザーサイトが開いていたPFUの新製品は、iPhoneを使ったアルバムスキャナー『Omoidori(おもいどり)』という商品だった。

iPhone 6/6s、5/5s/SE対応で、単4電池2本で駆動。アルバムの上に置いてアプリを使って撮影し、アプリ上で、完成写真を合成。iPhoneの写真として保存する仕組みになっている。価格はオープン(PFUダイレクト価格12800円(税込み))。発売は6月下旬とのこと。

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写真に対する人それぞれだと思うが、自分が子供の頃の写真、親や祖父母が若い時の写真などは、いまとなってはもう取り戻すことができない貴重なものだ。また、子供たちの成長の軌跡もとっても大事。

また、東日本大震災の時の流されたり、濡れたり、泥にまみれたりした写真を洗浄して返却するプロジェクトや、ボランティア活動があったことも記憶に新しい。

時に、写真はその人の人生を表すたからものになることさえもあると思う。たとえば、何かの災害があった時に、命さえ無事なら、お金より何よりアルバムを持ち出したいという人は多いと思う。

そんな時、写真がデジタル化されてクラウドにあれば、失われる可能性は低いだろう。デジタルで撮った写真がストレージされたら、次はアナログ写真のデジタル化を行いたい。以前、私も祖母の持っている写真をPFUのiX100でスキャンしたという記事を書いたが、アルバムに貼られている写真はスキャンし難い。それに対する回答がOmoidoriというワケだ。

昔のフィルムで固定する型式のアルバムに撮影されている写真を撮影すると、通常はテカってしまう。PFUが事前にソーシャルメディアで『#テカって困っている人募集』として写真を集めていたが、他の光源を使っても光るし、当然正面からiPhoneのフラッシュを使うと盛大に光る。斜めにしてもやはり光る。

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こうしないために、本職のカメラマンはどうするかっていうプロ的なノウハウをお話しすると、大ざっぱな絵で申し訳ないが、まず完全に暗室にして(他の光源を反射させないようにするため)写真の上に無反射ガラスって、いう反射しにくいガラス(よく割れる(笑))を載せてフラットにして、左右の反射しない角度からバンクライト(面光源にするストロボのボックス……部分によって明るさに差が出ないようにするため)で、反射しないように広い面光源を当てる。

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当然ながら、面倒なわけですよね。でも、これをやらないと正面からちゃんとした複写はできない。

今回のOmoidoriはこの仕組みを、iPhoneのカメラ、ミラーを使って実現しているワケです。

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単純な構造に思いがちですが、案外中身は複雑です。

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右側が鏡になっていて、上下方向にLEDライトが2個ずつあります。左側にiPhoneのカメラレンズが見える穴があります。おおまかに絵を描くとこんな感じ。

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写真の両側からLEDで照明を当てて、片側にあるミラーに映して、それをiPhoneのレンズから撮るわけです。画角や焦点深度の問題があるから、Androidはじめ、他の携帯に対応できなかったのはやむを得ない感じがする。

押さえ付けることで、先の光を遮へいしたスタジオと同じ状態にして、左右のLEDを交互に点灯させつつ2カットを撮る。そして、その2カットを合成し、明るさなどのバランスをアプリで取るという仕組み。明るさのムラも同じ条件になるから、当然補正も的確にできる。

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アイデア自体はかなり古くからあり、宮本執行役員の「古い写真をスキャンしたいんだけど、どうすればいい?」という疑問から開発が始まったのは10年ほど前のことだという。

しかし、思いの他、光のコントロールは難しく、商品化にはいたらなかったという。

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しかし、東日本大震災があり水に濡れドロに汚れた写真の洗浄作業などが行われるにつれ、やはり「写真をきれいにスキャンして、デジタル化し、万が一の時にも大事な人の写真が失われないようにしたい……」という思いを新たにし、開発は継続された。

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最終的に佐藤菜摘さんや、三浦唯さんなど、若い女性も含めてプロジェクトチームは前進し、洗練されたデザインで多くの人に使ってもらい、家族の写真を大切にして欲しいということで、西澤明洋氏率いるエイトブランディングデザインの協力の元、商品デザインのみならず、プロモーション全体のデザインも含めて、非常に洗練されたものができあがった。

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使用できるのはiPhone 6/6s、5/5s/SEのみで、6/6s PlusやAndroidでは利用できない。上記のような理由でかなり、カメラや筐体位置がが限定されるからで、これは仕方ないところの模様。

その他にも若干、写真はクッキリ鮮やかめに補正される、画面を見てトリミング、また顔認識して向き補正、赤目補正、日付を文字認識してのEXIF情報の修正など、かなりアプリ側でも精巧な作業を行なっている。

また、2Lの写真までなら、2回にわけて撮影し、内部で合成することもできる。

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また、プリントサービスや、フォトブックサービスも用意されており、スキャンした画像写真からフォトブックを作ったり、することもできる。

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プリントは1週間前後で届けられて、Lサイズ31円〜2Lサイズの86円まで。フォトブックはプレゼントに最適なちょっと上等な仕上げのハードカバーの銀塩写真仕上げは145×145mm16ページで2860円。自宅で見るのにリーズナブルで助かるソフトカバー印刷仕上げは540円。

オプションで用意されるフォトプレッサー(2700円税込み)があれば、アルバムに貼られていなくて、丸まっている写真のスキャンの便利だ。

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これは下面にマグネットでピタリとくっつく仕組みになっている。

また、PFUダイレクトでの購入先着1000名にはOmoidoriケースSpecial Editionも無料でプレゼントされるという。これにはポケットも付いていて、フォトプレッサーも一緒に収納できる。

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また、読み込んだデータを『おもいでばこ』に読み込んだりすると、さらに便利に使えそうに思う。実際、展示会場にはおもいでばこのブースも設けられていた。

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と、いうワケで、私も持参した自分のアルバムでやってみた(笑)

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16歳の時、当時ブラジルにいた父を訪ねて行って、一緒にリオデジャネイロに行った時の写真。ちなみにいわゆる絹目仕上げ(懐かしい・笑)。

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こんな感じに仕上がりました。

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テカリもまったくなく、30年前の写真がきれいなデジタル写真になりました。Macに転送して画像サイズを見てみると、2854×2054となっています。

拡大してみるとこんな感じ。キャビネ判から拡大スキャンしたことを思うと、十分な精度ではないでしょうか? 元の写真だって、これ以上の解像感はありません。

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これを買って、お盆の帰省の時には、古いアルバムの写真をせっせとデジタル化……というのもいいかもしれません。

コメント

良さそうなんだけど、やっぱり6splusは除外かあ。
アジャスターなどで、両方に使えると良いなあ。というか、プラス持ちとしては買えない。残念。

そこは苦渋の決断だったみたいですねぇ。本当はもちろん、Plusにも対応したかったけど、対応するとかなり大きくなるし(タテだけでなく、カメラをセンターに持ってくる都合上、横幅も大きくなってしまう)、ということでまずは断念されたようです。

人気を博せば、当然Plus対応版なども出てくるのではないかと思うのですが。

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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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