【今夜22時予約開始】iPhoneケースで有名なトリニティのNuAnsからWindows 10 Phone搭載の『NEO』発表!!【本体 3万9800円+税】
iPhoneケースメーカーとして急成長を遂げたトリニティさんが、NuAns(ニュアンス)というブランドを立ち上げたのは既報の通り。 そのNuAnsからNEOという名のWindows 10 Phoneが発売された。
代表の星川哲視さんがトリニティを立ち上げられて10年。その10年の集大成として、次のステップとしてスマートフォンの生産に取り組まれることになったという。
そもそも、星川さんは非常に『スタイル』にこだわる方。その『スタイル』を突き詰めていった時に、今の我々のライフスタイルに非常に密接に関係する『スマートフォン』を改めて見つめ直すことになったという。
iPhoneは当然のことながらAppleしか作れないし、ほぼ一機種。Appleの製品と趣味が合わなければ使うことができない。素晴らしい製品であることは確かだが、選択の余地はまったくない。Androidは……星川さんは多くを語らなかったが、選択肢としては考えにくそうだった。おそらく、無制限に競争が存在することによる粗製乱造、自由度が高すぎてバックドアが存在するアプリがGoogleのストアにさえ数多く存在すること、デザインの統一感が取れなさそうなこと……などが、星川さんにとっては選択肢になりえなかったのだと思われる。
統一されたスタイルと、十分なセキュリティを持ち、iPhone以外の答え、新しい答え(ニューアンサー=NuAns)として作れるのがWindows Phoneだったということなのだ。
これは直接星川さんがおっしゃっていたことではないが、スマホとコンピュータの未来はどうなるんだろうか? AppleはiOSとMac OSを明確に分けているが、スマホ……というか、小さなコンピュータを持ち歩いて、必要に応じて電話として使ったり、モニターやキーボードを繋いでパソコンのように使う……というスタイルも未来のひとつとして存在すると思う(昔から語られるスタイルだが、結局スマホの性能が追いついてもパソコンは次の世代の性能を切り開くので、実現したことはないが)。少なくともストレージの問題はクラウドを使ってほぼ解決しそうだし。
そういうスタイルを考えた時に、 Windows 10が実現しているスマホからタブレット、PCに至るまで統一されたOSというのは理想的に思える。
Appleファンの代表格ともいえる星川さんが、MicrosoftのOSの乗ったデバイスをプロデュースするのは奇妙にも思えるが、多くの人に受け入れられるとともに、コンサバになり過ぎたApple製品より、『最近の挑戦的なWindows製品が気になる』というMacファンは多い。
そう考えると、『iPhone以外の理想に近いスマホ』を作り出すために星川さんがWindows 10を選んだのも分かる気がする。
それにしても、そう大きい企業ではない(星川さん曰く、『従業員14人の零細企業』)であるトリニティが携帯電話を作れるものなのだろうか?
単に廉価版の携帯電話を作るだけなら「深圳のODM工場からリファレンスモデルを購入すれば販売はできる」とのこと。
しかし星川さんを中心としたNuAnsのチームとしては、理想のスマートフォンを追い求めて、新しくWindows Phoneを設計し、外装もTENTが『ポータブルデバイスが中心となった世界』で、『インテリア・雑貨などに溶け込む製品』として完全にオリジナリティのある製品として作り上げている。
できあがったNuAnsのNEOは、背面上下のカバーを自由に取り換えることができる携帯。オーナーのスタイル、その日の気分によって本体ボディの形状、材質、色を変えられる。いつも身近にある携帯だけに、自分好みにカスタマイズしたいという人は多いはず。OSは奇をてらわないがOS的にセキュリティが強固なWindows 10。SIMフリーなので低コストで運用することもできる。また、基本的にパソコン版と同じOSなので、WordやExcelを使うこともできる。モニターやキーボードを繋げば、まるでノートPCのように使うこともできる……かもしれない。
外装部分を取り外すとこうなる。SIMなどが露出するし、基本的には外装ナシで使うことはできない。ボタン類も押しにくくなる。
内部にはスイカやパスモなどのカードを入れることもできる。
外装の素材は、上下2パーツに分かれる TWOTONEと本体自体がブックタイプのカバーになるFLIPの2種類。素材には、ゼロワンプロダクツの天然木材シート・テナージュ、レザー風のクラレのクラリーノ、スエードのような質感を提供するウルトラスエード(高級車のシートなどに使われるアルカンタラのことらしい)など、質感が高く、かつ耐久性にも優れた材質を使う。これらの素材を金型の中に入れて射出成型するインモールド成型「ART & TECH」によって、形にぴったりとフィットし、かつ剥がれない製品を実現しているという。
さて、肝心要の(?)スペックだが、画面サイズは5インチで1280×720。CPUはSnapdragon 617(MSM8952)1.5GHzのオクタコアとハイエンドに近いものの新しいタイプ。メモリは2G RAMで、ストレージは16GBで、Micro SDカードを使って、最大128GBを追加することができる。カメラは外側が1300万画素F2.0、28mm相当、インカメラが500万画素F2.4、24mm相当(つまりiPhoneに近いカメラだが、若干ワイド寄り)。
約141×74.2×11.3mm、約150gと、iPhone 6sと6s Plusの中間ぐらいのサイズ感&重さ。ただし、バッテリーは3350mAhと大容量。2日ぐらいは普通に使えるとのこと。
厚さは、外装が交換可能であることもあって少々厚めだが、横がラウンドしていることで非常に手への収まりがよく持ちやすい。
コネクターは先進的なUSB Type-C。付属のケーブルはType-A側もリバーシブルで、どちらも挿す向きを選ばない。
基盤/ボディ設計にこだわって、(左から)ストラップホール、スピーカー、USB-C、マイク、ヘッドフォン端子がキチンとセンターにそろっているところにも注目したい。
iPhoneとAndroid以外の、『第3の選択肢』として登場した1度目は期待したにもかかわらず失敗に終わったWindows Phone。IS 12Tの時も、製品の出来は良かったにも関わらず機が熟していなかったのか敗退に終わった(個人的にはメーカー(orキャリア)の最初の期待値が高すぎ、値引き(値落ち)の開始が早すぎだったと思う)が、SurfaceなどWindows 10デバイスの普及が進んできてる今こそWindows Phoneは可能性があると思う。
また、格安SIMの運用で低コストで使える可能性も広がっている。いろんな条件が整ってきた中で、Windowsパソコンと同じOSで使える携帯というのは、便利な存在になりえると思う。問題は、市場が十分にそれについてきて、(NuAnsを含む)メーカーがWindows Phoneというものが普及するまで支えられるかどうかだと思う。現在国内でWindows Phoneの販売を表明している他社は比較的廉価な中国メーカーの製品を直接輸入したような商品が多い。もしかしてVAIOから出ると言われている商品や、Microsoft Lumiaなどの導入などまで時間があれば、NuAns NEOは唯一の有効に使える性能を持ったWindows Phoneとなるかもしれない。
価格はCore 本体が3万9800円、TWOTONEカバーが1400〜1600円、FLIPカバーが2750〜3680円。価格競争力も十分に高い。
販売は1月から。予約開始はNuAnsのウェブサイトで今夜22時。今後、伊勢丹、ロフトなどの店頭や、Amazonなどでも販売するという。企業向けはダイワボウ情報システム株式会社、SoftBank C&S、SIMセット販売としてU NEXTなど。
1台持ちの端末として使えるのか? iPhoneに追加して使う2台目携帯としてはどうなのか? など、今後もフリック!では検証していきたい。
本日22時からの予約受け付けはこちら。