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2014年11月11日 (火)

Evernoteはどこへ行くのか?

フィル氏が語ってくれた未来のEvernote

昨日、終日、3つのイベントに分けて開催されたEvernote Work Dayだが、最後のUser Meet Upでフィル・リービン氏のしてくれれた話しの要旨をお伝えするとともに、この1日でEvernoteが提示してくれた未来がどんなものだったかをお伝えしよう。

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用意された500もの席をいっぱいにしたEvernoteユーザーを前に、フィル氏は、1枚のスライドも使わず、延々と語りかけ続けた。

撮影していると分るのだが、手元の台本や、後ろのスライドを見ながら語る人は観客の方を見てるタイミングが少ない。絵としては演台を見ている写真にはしたくないので、観客の方に目を上げた瞬間を狙うのだが……人によってはそのタイミングがとっても稀少だったりする。フィル氏の場合、ずっと観客の方を向いてるので、いつでも絵になる。

聞けば、台本はなく、その場で思いのままに伝えたいメッセージを伝えていたのだそうだ(同時通訳の人が訳しているから台本があるのかと思ったら、純粋にその場で訳していたのだそうだ)。つまり、この言葉にこそ、Evernoteの首脳陣が討議を重ね、フィル氏の心の底から出てきたメッセージということになるだろう。

昼のスピーチの時には『Evernoteはあなたのワークスペースになりたい』という話があった。忙しい人のための、生産性を向上させるためのツールになりたいと。

ファイルキャビネットがあり、ノートがあり……という世界にいて、WordやExcelを使いこなせなかった人にも、新しい時代の生産性向上ツールとして役に立ちたいということだった。


もう、50年前のメタファーを必要としない人たちがいる

面白いなと思ったのは彼が言った『書類、ファイル、キャビネットなどというメタファーが50年来変っていない』ということ。

たしかに、パソコンが職場に普及してきたのは'90〜95年ぐらいなのだが、それより以前の会社には、たしかに大きなファイルキャビネットがあり、KINGJIMのファイルがたくさん並んでいて、その中には手書きの書類が(もしくはせいぜいコピーされて)たくさん詰っていた。

そのメタファーとして、フォルダアイコンや、書類のアイコンがあるのだが、そもそも、30代より若い人は、リアルなそれらの素材に触れていないかもしれない。少なくとも20代は確実にそうだろう。となると、いつまでのそのメタファーを残しておく必要があるのだろうか? ということだ。

フィルによると『Evernoteはそのメタファーの必要ない人たちにとっての生産性のツールになりたいと思っている』という。

昨日発表されたことを統合すると、書類を開いて『今日の○○の株価は……』と書き始めると、関連ノートとして日経の今日の記事が表示される、『○○社についてですが……』と書くと、(Evernote Businessなら)社内の他の人が書いた、その会社のレポートが表示される。

それらの書類を、社内で結びつけていくのがWork Chat。『この書類について意見はありますか?』と何人かに書類を共有したら、『ここに関連情報があるからチェックしておくといいよ』と誰かがサジェストしてくれる。その場(ワークチャット上)で、そのドキュメントに関する活発な討論を始めることができる。それぞれのいる場所が離れていても、生活時間が多少ズレていても。

そして、誰かに見せる時には——それが隣の席の同僚であれ、大勢の観衆の前でのプレゼンテーションであれ——普段作っている資料を、それのままプレゼンテーションモードで公開することができる。シェアすることもできるし、モニター全面に大きく美しいデザインで表示することができる。資料自体がドキュメントになり、それがプレゼンテーションの書類になるのだから、元の資料の数値がアップデートされたら、プレゼンテーションの書類も書き変る。もう、バージョン管理に費やしている時間なんて要らないのだ。

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それは、『ミーティング』『書類』『プレゼンのスライド(これも古いメタファーだ)』などをどんどん革新していくだろうし、そのスピード感に旧来のビジネススキームを使っている会社は太刀打ちできないだろう。

それこそが、Evernoteの提供する新しいワークスペースなのだ。


ちょっとした違和感

Evernoteは高機能、多機能になっていく中でも、シンプルであること、使いやすいことを見失わない。

今でも、iPhoneだけで使い始められるし、『ミルクを買いに行く』などといったToDoリストから使い始めることもできるし、最寄りのバス停の時刻表を写真に撮って持ち歩くためにも使える。

でも、フォーカスが『ビジネス』に絞られてきた気がする。そりゃあもちろん、昨日は『Evernote Work Day』なんだし、登壇している人がビジネスを語り、成功を語るのは当然だ。ウォールストリートジャーナルや、日経、docomoと協業し、どんどん大きなビジネスに漕ぎ出していくEvernoteは素晴しい。

そんなものは、幼なじみが世界を舞台に活躍するのを見て感じるような、くだらないおいてけぼり感かもしれない。だけど、ミートアップの対談が終った後、500人ものEvernoteファンが集まった割には、そうそうに多くの人が引けてしまったのに少し寂しさを感じた。昔のミートアップって、もっと「もう、いいかげん帰れよ!」って言いたくなるぐらい、みんなウロウロ溜まってませんでしたっけ?

もちろん、前のビジネスセミナーから流れていた仕事ユースの人が多かったっていうのもあるでしょう。このちょっとした違和感が杞憂ならいいんだけど。しかも、いずれにせよEvernoteがどんどん便利になっていて、前進しているのは確かなことだし。

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(こんだけの熱気があるんだから、大丈夫だよね?(笑))





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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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