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2014年7月13日 (日)

EVERNOTE DAYS 2014 TOKYO とは何だったのか?  #EvernoteDays

締め切り中だというのに、2日間お台場の会場で、みっちり取材してしまった。

EVERNOTE DAYSは、基本的にたくさんの講演会の集合でありました。お台場・日本科学未来館という基本的にはあまり交通の便のよくない(六本木や品川、渋谷に較べてですが)会場で開催され、さらに有料のイベントだったにも関わらず、2日ともすごい人の入りで驚いた。

それほどに、エバーノートというサービス、ツールが多くの人に愛され、受け入れられているということなのだと思う。

セッションはMITメディアラボ副所長の石井裕さんによる『未来記憶』、脳科学者の茂木健一郎さんによる『脳とイノベーション』というようなハイブローなものから、実際の活用事例、入門向けのセッションに至るまで多岐にわたっていた。

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一貫して語られるのは『記憶』(もしくは記録)は大切で、それをEvernoteがサポートしてくれるということだろう。

石井さんは、1896年、1933年の三陸大津波の時に残された石碑『大津浪記念碑』の『高き住居は児孫に和楽、想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな』という石碑の意図がちゃんと残されて、リマインドされていたら、津波の被害はここまで大きくはならなかっただろうと語られた。

石井氏のbotがある、句を詠まれたお母様のbotがある。botが発言を定期的に発信してくれると、その人の記憶は残る。人の生きている証として、発言が『記憶』されていく。

生きていくことが『記憶』を積み重ねていくことであり、その人の生きていた証が『記録』が残っていくことなのであれば、僕らはどんな記憶を重ね、記録を残していけばいいのだろう?

たとえば、僕がこうやってblogを書いていることも記録だし、10年して、検索で行き当たってこの文章を読んだ人が、『なるほど!』って思うこともあるのかもしれないし、100年後にこの文章に行き当たった人が『なるほど! これ書いた人に会おう!』って思うかもしれない。

あるいみ、記憶、記録こそが人生なのだ。だから、Evernoteに強く思い入れを持つ人が多いのかもしれない。

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茂木さんは、人の脳って何なのか? 記憶って何なのか? を語っておられた。

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IBMが開発した人工知能ワトソンは、クイズ番組で人を圧倒したという。大学入試だって多くの大学の入試をコンピューターが通ることができるという。記録と記憶に関しては、コンピューターの方がすでに優秀なのだ。

ならば、人の脳の能力。人の脳だけができることって何なんだろう? 発想する能力、セレンビリティ、特定の事象に出会った時に『これだ!』と気付く能力。それは記憶の積み重ねの上にしか成り立たない、積み重ね、回答に至ろうと苦闘したからこそ、出会ったときに『これだ!』と気が付くのだそうだ。

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何も、科学の先端にしか、そうした発想の苦闘があるわけではないし、Evernoteが役に立つシーンがあるわけではない。人の記憶と記録をサポートするEvernoteは日常の生活にだって役に立つ。

Evernoteアンバサダーである本間朝子さんは、共働きの夫婦の間でのEvernoteの利用法を紹介されていた。

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共有したノートのタスクリストに買い物メモを作るとか、とっても実践的だ。Evernoteなら写真も貼り込めるし、音声だって貼れる。

いろんな活用方法に注目が集まるのも、Evernoteの特徴だ。あまりにも活用方法の広い道具だからして、いろんな使い方ができる。『あ、それなら簡単、僕にもできる』というものから、『なるほど、そんな高機能な使い方ができるんだ!』というものまで。

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だからおのずと、PFUやコクヨ、NTTドコモのようなパートナー企業の出す情報も気になるし、アンバサダーの人たちのいろんな工夫が気にかかる。

それが大きなエコシステムを作って、Evernoteを活用する環境を作っている。

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スマホ、タブレット、パソコン、クラウド、ウェアラブルデバイスなど、アップル、グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどが覇権を争うレイヤーをズバッと縦につなぐ軸として、Evernoteが存在する。そして、その立ち位置からして、独特で、ある意味どこにもライバルがいない。

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『百年企業』を目指すのは、ユーザーの記憶をしっかりと残す安心感を持って欲しいから。バイアウトを目的としていたり、極端な利益を求めたりしない。それは、ユーザーの継続的な記憶の継承ということを第一義に考えているから。

佐藤真治さんが中心として話された『信頼できるクラウドサービスの条件』というセッションで、そのことが語られて、非常に興味部下かった。

データは『ユーザーのもの』で、『保護』されていて、『取り出し可能』なのだそうだ。

そういえば、料金体系も、Free版では読み込める量に制限はかかるけれど、蓄積したり、書き出したりする方には制限がない。

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このあたりのスタンスをじっくり聞いたのは初めてだったのだけど、保存されているデータに触れる人は非常に限られており、特定のデータに触れる人の権限は非常に細分化さており、それぞれの部分にタッチできる人は片手の指にも満たないほどの人数なのだそうだ。

しかも、その限られた人数の人が、触ったとしてもすべての行為に関するログがしっかり残り、誰が何をやったかは、CEOや担当者のやったことであれ、すべて誰が何をやったのか分るのだという。

その点「データが持ち出されました。が、誰がやったかは分りません」なんてことはあり得ないのだそうだ。

セキュリティリスクに対する対応が非常にしっかりしているのもご存じの通り。すべてはユーザーの記録優先であることからの安心感がある。これほど、メジャーな企業になったにも関わらず、極端な利益志向ではなく、すべてにおいて『善』であるとユーザーに思われている会社もめずらしいのではないだろうか?

そういえば、社長のフィルさんや、先日取材させてもらったリンダさんや、アレックスさん、日本の会長の外村さん、GM井上さんはじめ、USの方々も、日本のスタッフの方々も本当に感じのいい人ばかりだ(そういうことを重視した採用をされているのだろうか……? 一度聞いてみよう)。

ちなみに、データはユーザーのローカル(パソコン版は基本的に全部のデータをローカルに持っている(設定で変えられる))にあるものを含めて、5〜6重のバックアップに取られており、メインのサーバーはサンノゼにあり、バックアップはサクラメントにあるのだそうだ。

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Evernoteは100年企業を目指しているということだが、東大寺の住職さんである森本公穣さんによると、東大寺にな1200年前からの『ログ』が残っているのだという。

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それどころか、正倉院にはさまざまな、調度、書類、仏具、服飾などが残されているという。だからこそ、1200年前の人々が、何を成し、何を思い、どんな生活を送っていたかが分るのだという。

人の記憶、記録、生きていた証は1200年も残り、それが現代の我々を感動させたり、昔の人も同じように人を愛し、思い、嫉妬し、生きてきたのだなぁと思わせる。

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実に充実したセッションが23も開催され、同時に3つのセッションが行われる時間も多かったので、身体が3つなければ全部を見ることができず、その点だけがとっても残念だった(動画の記録をとっておられるようだったが、公開されるのだろうか?)。

記憶(記録)ことが人を人たらしめ、あなたの記憶(記録)が、あなたを規定する。もしかしたら、将来、人が肉体を失っても記憶や記録が永遠なら、人の想いは永遠に生き続けるようなことになるのかもしれない。

それほどに記憶(記録)というのは大切なことだし、それにまっすぐに向き合っているEvernoteが多くの人に受け入れられ、愛される企業になっているのは素晴しいことだ。

正直、まだまだEvernoteにも使いにくい部分もあるし、もっと一般のユーザーさんに対して敷居が低いものになってもいいのではないかと思う。とはいえ、あれだけの人数がEVERNOTE DAYSの会場に集まったということこそが、Evernoteへの関心の高さ、思いの深さを反映しているのではないかと思う。

これからも唯一無二の、我々の『記憶(記録)を司るサービス』として、僕らはEvernoteを使い続けていくことだろうし、Evernoteはその想いに応えてくれることだろうと信じられた、実に素晴しいイベントだった。






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  • 村上タクタ

    村上琢太。ガジェット好きの雑誌屋。'92年入社以来趣味誌ひと筋。バイク雑誌RIDERS CLUBから、現在はコーラルフィッシュRCエアワールドの編集長も務める。機能を突き詰めてカッコよくなったガジェットと、アイデアと楽しさに満ちたウェブサービスを紹介する本『フリック!』の編集活動に奮闘中。twitterアカウントは@flick_mag

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