『インテリジェント土管』──5分で知ったかするauとdocomoの発表会
身の周りの人たちを見るとiPhoneユーザーが圧倒的に多くて、ひところ一斉に増えたアンドロイド携帯を使っている人たちは、「使いにくい」と不満たらたらだったりします。「女子高生の間でiPhoneユーザーが増えている」とか、アンドロイドのセキュリティリスクの高まりとか、決済関係の混乱とか、短すぎるモデルライフなどが話題になり、僕の周辺は「やっぱりiPhoneだね」という空気感でいっぱいです。
それとは別に、Xperiaや、Galaxyや、そのほか諸々のアンドロイド携帯を使っている人は、それに馴染んできているような気がします。実際のところ「お財布ケータイ必須」の人や、「諸事情でdocomoからは離れられない」という人は、スマートフォンでいえばアンドロイド一択なワケで、その環境に馴染んでいる気がします。
つまりは、ユーザー層はパッキリと分かれてしまったのかなと。

(左から、GALAXY SIII、MEDIAS X、ARROWS X、Xperia SX)
今回のauとdocomoの発表は両方実は同じことを言っていて、どちらも課金コンテンツを通信事業者主導で扱うっていうお話をされているんだと思います。auはau IDに基づく『スマートパス』って言ってますが、要は音楽コンテンツ(うたパス)や、映像コンテンツ(ビデオパス)を定額でたっぷり楽しめますと。docomoはドコモクラウドというカタチで、しゃべってコンシェルや、通訳電話、dマーケットなどでサービスの付加価値を得ていこうと。アニメマーケットとかMUSICストアということで、ある意味同じ話ですね。
そこの根本は奇しくもdocomoの山田社長が「ネットワークの土管化を通信事業者としては防ぎたい」とおっしゃっていたところで、『端末メーカーが端末に特化したサービスを提供すると端末が限定される』だから、『通信事業者がクラウド上にインテリジェントな機能を提供する』、ただの土管になるわけにはいかぬということであります。

(dマーケットのアニメストア。アニメ500作品、約1万エピソード、月額420円見放題……ってすごい。見続けてアニメ廃人になりたい……w)
もうちょっとフラットにいうと、iPhoneというかAppleがiTunesで課金サービスをすると通信事業者は土管化してしまう。そういうビジネスでは立ちゆかなくなるから、端末メーカーではなくて、通信事業者自体が音楽や映像などのコンテンツを売って、そういうサービスを包括的に課金して、収益を上げていかねばならんということです。

(アプリも定額、音楽も定額、映画も定額と……左右に見切れている円も気になる)
その点、docomoの方がiPhoneを諦めればその作戦に集中できますから方向性がはっきりします。auは『選べる自由』があるだけに、『うたパス』や『ビデオパス』はiPhoneやWindows Phoneでは使えません……という注釈が入るし、iPhoneの発表会ではそれなりにそっちを向かねばならないし……という曖昧な部分が出てしまうでしょう。
今回山田社長もわりとはっきりおっしゃってましたが、この戦略とiPhoneは両立しにくいと思います。おそらくdocomoからiPhoneが出る目はやはりなくなっただろうと。docomoはその分100%の力で、アンドロイドを自社のエコシステムに取り込むことに集中できるわけです。
今回のdocomoスマホ17機種というのと、auスマフォン6機種という迫力の差は、その選択と集中の力の差のような気もします。
(初出時、auスマフォン5機種と書いていましたが、先行発表されたHTC Jを入れて夏モデルは6機種でした。お詫びして訂正いたします)とはいえ、スマートパスポートでマルチデバイスをカバーしているところとか、One More Thing的に登場したSmart TV Box(au IDで動作するApple TV的なもの?)とか、根本的にはauの方がどういう風にするとユーザーにメリットがあるように感じるか「ワカってる」感じがするし、今後の展開はまだまだ分かりません。

(docomoのAQUOS PHONE st。ちっちゃくて良さげ)
端末は、多くの人が言っていたとおりdocomoの方が見るべきモノがいろいろありましたね。すごくでかいのから、女性でも片手で操作できるようなコンパクトなものまで。そしてどの端末も山田社長がおっしゃっていたようにサクサク動いてました。電池もかなり大容量なのを使うようになっているみたいなので、この夏モデルのdocomoアンドロイドを買う人は、そろそろいいかもしれません(にしても、旧型になるのがあまりに早いのが辛いのは変わらなさそうだけど)。らくらくスマートフォンなんていう新しい提案もあったし。

(らくらくスマートフォン F-12D。お年を召した方のレビューが聞きたい! 専用の2980円/月のらくらくパケホーダイという料金プランも用意)
というわけで、相変わらず携帯電話業の世界からは目が離せません。面白いですw


























