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2018年4月24日 (火)

最後の水槽日記2

最後の水槽日記1の続きです。

そんなわけで、この水槽を回し始めてから14年。ほぼ状態に変化がないようになってから7年、水槽は順調に回っていました。

めちゃくちゃきれいな水槽というわけではありませんが、シャコガイやミドリイシが飼い続けられるコンディションではありました。
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たまにトラブルもありました。リアクターのメディアが足りなくなったり、CO2が足りなくなって、慌てて買いに行った事もありますし、スキマーのポンプや、メインポンプが壊れて、慌ててて買った事もあります。配管がカルシウムなどで詰ってきて、メインの配管をやり直したりもしました。

夏は、水槽用クーラーのパフォーマンスが心配なので、最近は部屋のクーラーも併用して、部屋も20度ぐらいに下げて維持していました。

が、子供たちも大きくなって、部屋も手狭になりましたし、進学のためにお金も必要になって、もうこれ以上、水槽を続けるのは難しくなってきました。僕が水槽などのために部屋をひとつ占有しているので、娘と息子に別々の部屋を与えることができないまま、ここまで来てしまいました。さすがにいろいろ限界です。

そんな折りにトラブルが起りました。

1月の下旬。大雪が降った日です。

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苦労して家に帰って異変に気がつきました。

水槽の水温がめちゃくちゃ下がってます。そして、サンプの水温がめちゃくちゃ上がってます。

計ってみると水槽16度、サンプ40度。

ウチの水槽は、センサーは水槽用クーラー内にあるので、循環が止まってしまうとヒーターはサンプを暖め続けてしまいます。

いろんなところをチェックしましたが、どうやら水槽用クーラー内で配管が詰っているようです。

最寄りのショップARUの青木君に相談していろいろ考えました。

最初は、とにかくもう大崩壊だから、水槽はやめるから水槽ごと引き取ってもらおうと思いました。が、互いのスケジュールが合わず、このまま腐敗させてしまうわけにもいかないので、応急処置をすることにしました。配管を買ってきて、メインポンプから水槽を直結にしました。つまりクーラーを外している状態にしたのです。そして、ARUから、ヒーターとセンサーを借りてきて、とりあえず動く状態にしました。

水温が低水温、高水温になっていたので、水槽側の生体は低水温で厳しい感じになっていますし、サンプ側の水のバクテリアはとりあえず壊滅でしょう。とはいえ、換水をすぐに出来る状態にはないので、そのめちゃくちゃな水温の水をとりあえず回し(真冬なので放置するとどんどん水温が下がります)、その間に水を溜めて、大量換水します。

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数日して、ダメになった生体と、生き残りそうな生体が分かれてきました。

僕が一番、水槽をやめられない理由だった、500円玉サイズから育てたシャコガイはダメになってしまいました。身が収縮して、崩れはじめました。このまま、水槽の中で腐敗すると、大変なことになるので、これは涙を飲んで水槽から出しました。

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カクレクマノミも見当たらなくなりました。低水温に耐えられなくなったようです。エダイボコモンや、トゲサンゴもダメになりました。

対して、アフリカンピグミーエンゼル、ミドリイシ、グリセリアコモン、ノウサンゴ、ウィスカーズコーラル、シコロサンゴ、タコアシサンゴブランチ、スターポリプなどは生き残りそうでした。

スリバチサンゴやコモンサンゴは微妙な状態……。

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最初は『もうダメだ! この機会に水槽をやめよう……』と思っていましたが、換水をして水槽を回していると、いろいろと持ち直してきます。

昔、あんなに飼うのが難しかったミドリイシが、こんな状態になってもへこたれずに頑張ってくれているのには驚きました。一度、バクテリアが安定して回り始めた水槽は、こんなにも安定性が高いのかと驚きました。

2カ月もしたら、水槽全体としては元のコンディションを取り戻し、サンゴたちは自己修復を始めています。

これが今の状況です。

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正直、復活しているサンゴを見ていると、このまま飼育を続けたい気持ちはあります。

しかし、クーラーは詰ったままですし、12年使ったクーラーですから、修理にもお金はかかるでしょう。正直、買い替えないといけないと思います。また、子供たちのために、場所を明け渡さなければならないという状況も変わりません。資金の問題もあります。

というわけで、やはり暑くなる前、クーラーが必要になる前に水槽を閉じようと思います。

そこで、ここにいる魚とサンゴを引き取っていただける方を募集します。

といっても、梱包材があるわけもないし、パッキングができるわけでもないので、基本的にはバケツでも持って、横浜市都筑区の私の自宅に取りに来て下さる方にとさせていただきたいと思います。

まぁ、普通、こんなに飼い古した生体を欲しい方がいらっしゃるとはあまり思えないのですが、コーラルフィッシュの記念品だと思って、引き取って下さる方、いらっしゃらないでしょうか?

アフリカンピグミーエンゼルとミドリイシ、ウィスカーズコーラルは、できればずっと飼い続けられる環境の方に譲りたいです。
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グリセリアコモン、ノウサンゴ、シコロサンゴ、タコアシサンゴブランチ、スターポリプなどは、「チャレンジしたい!」という方でもかまいません。コモンサンゴやスリバチサンゴは、だいぶダメージを受けていて、復活途中ですが、現状、マダラな状態です。

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よろしくご検討のほどお願いします。

ご希望の方は、コメント欄にか、メール、Twitterなどでご連絡いただければと思います。よろしくお願いします。

複数の方からご連絡をいただいた場合、なるべくこちらの手間の少ない方、近しい方を優先させていただく方向で、検討させていただきたいと思います。勝手を言ってすいませんが……。



(村上タクタ)


2018年4月14日 (土)

最後の水槽日記 1

すっかりごぶさたしております。

コーラルフィッシュの村上タクタです。ご記憶でしょうか?

長い年月が経って、遠からず、このブログも私の水槽も幕を閉じることになりそうです。
そこでご無沙汰している間の顛末でも、ご報告しておきましょう。

コーラルフィッシュのシリーズの嚆矢になる『はじめて海水魚を飼う時に読む本』が始まったのは2004年のことでした。14年も前ですね。

そして、このブログが始まったのが2006年4月。12年前ですね。干支も一回り回ろうというほど昔です。

これが最初の記事ですね。

その時には、すでに、家でメイン水槽を回し始めて1年半って書いてますから、13年半、この90cm水槽は回っていたということです。ちょっとした出来心で始めたにしては、よくも続いたものです。

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90×60×45cmのアクリル水槽。厚さ8mmで、重合接着なのが自慢です。最初は、サンゴろ材を入れた生物濾過で始めて、途中からプロテインスキマーを使ったベルリン式にしました。まぁ、そのへんの詳しくは過去の水槽日記を読んで下さい。

古くからの読者の方は、この水槽を買ってきた時に、たぶん1歳と4歳だった子供たちを中に入れて撮った写真をご記憶じゃないかと思うのですが、その子供たちももう、ひとりでアメリカに行ったり、棒高跳びで3mを飛んだりするぐらい大きくなってます。

水槽を回し始めて6年が経つ2011年に東日本大震災が起こり、コーラルフィッシュを支えてくださっていた多くのお店さんが被害を受けられ、水槽をやめる方が多く、コーラルフィッシュも終わりを迎えました。

そして、2年前、再起をかけて『カクレクマノミの上手な飼い方 コーラルフィッシュ特別編集』を出しましたが、残念ながら及ばず。続きを出すほどは売れませんでした。

私の家のメイン水槽は、2011年から、変わらず、ずっと回っていました。

コーラルフィッシュが終わって以来7年間。ほとんど生体を追加することはありませんでした。

つまり、ずーっと、何の変化もなく回り続けていたのです。

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はずかしながら、雑誌屋なんてぇやくざな稼業をやっておりましたんで、昔と同じく水換えの手間をなかなかかけることができず、その7年の間、足りなくなった水をRO水で足すだけで、水換えは半年か1年に一回がせいぜいでした。

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が、不思議なことに、サンゴはいずれも、生き生き……とはいわないまでも、連綿と生き続けてくれました。コーラルフィッシュを続けていた時には、あんなに苦労したミドリイシも、色はまぁ、お察し……という感じですが、微妙に成長を続けてました。

どれがいつからという正確な記録はないのですが、2011年の大震災からほぼ生体は足していないので、数個のミドリイシ(うち、どれかは沖縄の金城さんところのサンゴのはずです。どれかわからなくなってしまいましたが)。エダイボコモン、どこまでも広がるグリセリアコモン、すごくよく伸びる蛍光グリーンのスターポリプ2種類。たしか、福岡(北九州?)のお店で買ったスリバチサンゴ、キッカサンゴ、ブルーハーバーさんで買ったオーストラリア産のウィスカーズ・コーラル、たしか関西のお店で買ったノウサンゴ、タコアシサンゴブランチ、トゲサンゴ、シコロサンゴ、長い事生き長らえているコモンサンゴ……どれも幾多の災害を生き延びてくれました。

魚は、アフリカンピグミーエンゼルがもう7年以上この水槽で泳いでいます。それと前回の別冊の撮影のために買ったカクレクマノミ。

そして、なんといってもビックリなのがこのシャコガイ。買ってきた時は500円玉ぐらいのサイズだったハズですが、最終的にはなんとバスケットボールぐらいの大きさに。これはもう水槽から出すこともできません(汗)

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こんな生体が、すべて少なくとも7年生きてくれているのです。

タネ明かしをすると、飼えているのは『無給餌』だからです。エサ、つまり窒素酸化物が入らなければ、水槽の汚れはほとんど進行しません。

もちろん、趣味としては、エサをやって日々世話をすべきですが、編集者の忙しい生活の中で、サンゴを楽しむために、僕は無給餌という方法で水槽を維持していました。結果、7年以上の間、多くのサンゴをほぼ死なせずに飼育し続けることができました。

アフリカンピグミーエンゼルは入ってますが、300リットルの水槽で、サンゴが飼えていれば、何がしかの微生物などは発生しているようで、1〜2匹の魚は飢えることなく生き続けることができるようです。

しかし、そんな水槽にも、とうとう大きな災厄(というか失敗ですが)がやってきました。

[最後の水槽日記2に続く]

(村上タクタ)









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  • エイ出版社の海水魚飼育専門誌『コーラルフィッシュ』(偶数月 20日発売)編集長のblog。 誌面の自宅水槽に関する連載『水槽日記』のblog版のつもりでしたが、もっと幅広く、日常の話から、取材の裏話、デジタルガジェット、バイクやクルマの話など。いろんな趣味を横断的に共有しています。僕自身は魚の飼育についてはシロウトなので、飼育方法に関する質問には責任をもって答える能力はありません。ご了承を(笑)。TwitterでもさらにHOTな話題を情報発信しています。アカウントは@ei_coralfish。ぜひフォローして下さい。

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コーラルフィッシュ編集部

  • 村上タクタ

    村上琢太。'92年入社以来、趣味誌編集ひと筋。'03年末から海水魚を飼い始め、いきなり深みにハマり、現在もサンゴ水槽を中心に自宅自室でも2系統計600ℓほどの水槽を回す……が、未だ初心者の域を出ず。'04年春からコーラルフィッシュの前身となるシリーズを創刊。海水魚を多くの人が楽しめる環境を整える情報を提供するのが使命だとおもっている。今、ロックビューティ、スミレ、ベラの仲間とミドリイシ、小さな魚食魚などを偏愛。他の趣味についても、好みの偏る傾向あり。

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