冨田千恵子

  • とみたちえこ
    デンマーク在住20年。日本のデザイン雑誌、女性誌などの現地取材コーディネーター兼ライター。趣味は「コペンハーゲンのおいしいもの探し」。マイブームは「デジタル一眼レフカメラ」。人魚像からハムスターまで、シャッターチャンスを狙う毎日。

2008年10月

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2008年10月 7日 (火)

自転車道のグリーン•ウェイブ

 エコな交通手段、自転車はコペンハーゲンっ子にはなくてはならないもの。通勤通学者の約36%が自転車を利用しているので、朝や夕方のラッシュ時、職場や学校に急ぐ人たちであふれる自転車道は、とても活気があります。「世界一の自転車都市」を目指しているコペンハーゲン市は、2015年にはこの数字を50%にするのを目標とし、自転車道の整備、大型車の市中心地への乗り入れ規制などに力が注がれているそうです。
 そういえば先日、市街地を自転車に乗っていて見つけたのが、自転車道にグリーンでサイクリストを描いた、新しいピクトグラム、意味は「サイクリストのためのグリーン•ウェイブ」です。毎日6-10時、15-18時、このサインの自転車道を時速20kmをキープしながら走れば、赤信号で停車せずに走れるルートです。時速20kmと言われてもピンとこないのですが、ちょっと早め、小学生でも高学年なら、ついていける速さらしいです。
 「グリーン•ウェイブ」は、朝や夕方の慌ただしい時間帯には、時間が短縮でき、効果が期待できそうです。まだ、試験段階らしく、距離も短いので、街のあちこちで見かけるわけではないのですが、このユーモラスな「グリーンのサイクリスト」のサインが、自転車の利用者を増やす役割をするかもしれません。

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2008年9月23日 (火)

ヴェスタブロのモダンアート

 コペンハーゲンも芸術の秋です。あちこちで、アートエキジビションが開かれています。
先日、娘が学校の課外授業で行ってきたのは、U-Turn というモダンアートのエキジビション、カールスバーグの工場の敷地内で開かれているそうです。見学の翌日は、クラス全体で実践というわけか、美術の先生の指導の下、会場近くのヴェスタブロに「段ボールの万里の長城」を作ったそうです。こわされないうちに、作品を見に行きました。
 どんな芸術作品かとちょっぴり期待していたのですが、やっぱり段ボールだから地味。でも、子供達がいっしょうけんめい作ったという努力はわかりました。記念写真を撮って帰ろうとしたら、地面になにやら、赤いライン...「これ、なんだろ?落書き?」と言ったら、「ちがうよ、アート!この赤いラインをたどっていくと、エキジビションの会場に着くよ。面白いから、行ってみよう!」と娘。なんだか楽しくなって、その赤いラインをどんどんたどって歩きました。

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音楽がテーマの力作でした。
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行けども、行けども...
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行けども...、なかなかたどりつきません。

 ヴェスタブロはコペンハーゲン市の再開発地区ですが、夜になるとドラッグの売買があったり、売春婦が立つ通りもあります。でも、なぜか面白いこともおこるようです。ここから出発した、グラフィティアーティスト"Husk mit navn"は、いまやデンマークの全国紙の日曜版にイラストを描くほど世しました。
 さて、赤いラインですが、行けども、行けども、なかなか着きません。あと少しのところで、「おかあさん、疲れたし、おなかすいた。カフェにはいろう。」で、中断されました。エキジビション、11月までやってるから、また来ればいいか。

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Husk mit navnの作品

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建物のだまし絵

2008年9月18日 (木)

秋のオーガニックファーム

 エイ出版社のコロニーヘーヴ取材チームのお手伝いで、コペンハーゲンから北に35km、車で40分ほどのオーガニックファーム、フールビャウゴー(日本語に訳すと「鳥山農園」。日本のどこかにもありそうな名前です。)に行ってきました。ここは、オーガニックレストランの草分け、「カップホーン」をプロデュースし、現在はテレビや料理イベントでおなじみの料理研究家カミラ•プルムさんとご主人のペア•クルスターさんの経営するファームです。広大な敷地には、野菜やリンゴ、自家製ビール用のホップなどの穀物が栽培され、農場の裏には、ハーブガーデンとロバがのんびり散歩する庭があり、その規模の大きさに圧倒されました。ここでは、ファームとして機能するだけにとどまらず、オーガニック料理教室、企業の研修、オーガニックライフにまつわるイベントなど、アクティブな活動をしています。
(詳細は、11月発売のイェンス•イェンセンさんのコリニーヘーヴの本、第3弾でご覧下さい。)
エノコロ通信

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 伺った日は、その数日前に「秋の収穫フェア」が開かれ、週末の3日間でなんと6000人が集まったというから、その知名度の高さがわかるというもの。後片付けで超多忙なので、お料理が食べられrなくて、とても残念でした。
 帰宅してから、家の本棚からカミラさんの料理本を取り出して眺めました。ファームの雰囲気が伝わるような、素朴な料理が満載でした。食欲の秋の始まりです。
フールビャウゴー

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ファーム内のショップでは、野菜の他にオーガニックプロダクトが買えます。
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オーナーのペアさん(左)と畑談義(?)のイェンスさん(右)

2008年9月 8日 (月)

国民的ファニチャー•フェスティバル

 ストックホルムではインテリア•フェア”Formex”が開催されたとのことですが、同じ週末、当地でも「コペンハーゲン•ファニチャー•フェスティバル」がありました。これは、市内の主要デザイン家具メーカー、インテリア•ショップとインテリア雑誌「Living Design」が中心になって企画したもので、バイヤーやプレスなどのプロはもちろん、市民や観光客も無料で楽しめる、いわば「家具まつり」です。
 市内のインテリア•ショップ、家具メーカーのショウルーム、工房など、全部で29ケ所、普段なら部外者にはちょっと敷居が高い家具スポットまでもオープンハウスになり、新人デザイナーのプロトタイプ展示、メーカーの新作発表、工房での家具製作見学など、インテリアにまつわるイベントがいっぱいの3日間。各会場へは無料の巡回バスが走っていたので、効率的に回ることができました。
 それにしても、どこにいっても、家族連れやカップルでにぎわってるところを見ると、人々のインテリアへの関心の高さを感じます。まだ新しい試みのこのイベント、ぜひ定着してほしいものです。

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ファニチャー•フェスティバル参加店の目印は、ブルーのフライヤー。

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インテリア雑誌、"Bolig Magasinet"がノミネートした2008年のデザイン•アワード受賞者ポスター。ヤコブ•ウェグナー、ルイーズ•キャンベルなどの人気デザイナーが受賞。
Bolig Magasinet

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市内バスが、ファニチャーフェア用に無料巡回バスに変身。

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今年、発売50周年のルイス•ポールセンのPHランプ。ショウルームでは、カラフルな新作「PH50」の発表会がありました。
Louis Poulsen

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2008年9月 4日 (木)

歯医者通い。

 元来の甘いもの好きが祟ってか、歯がとても弱いのですが、このところ、完治したはずの歯がうずいたり、詰め物がとれたりと、小さなトラブルが多く、週一度の歯医者通いが続き、今日でやっと一段落しました。
 デンマークでは医療費は無料とはいえ、歯医者は例外で保険がきかず、日本並みかそれ以上に高額なので、個人の医療保険に加入し、治療費の一部負担にあてています。私の場合、3ケ月ごとに627DKK(日本円で約14,000円)払い、毎回治療費の3分の1ほどが返金されるのですが、とても助かるのです。
 大人は高額な歯医者ですが、子供の場合、18歳まで無料。一般的に学校内に歯科クリニックがあり、定期的にチェックしてくれるので、歯磨き指導から始まり、虫歯にならないうちの早期治療や,歯列矯正もしてくれます。ただし、「うちの子は、歯並びが悪いから18歳までに学校で治してもらいたい。」という美容目的の矯正は認められず、あくまでも、噛み合わせが発育に悪影響を与える場合のみ、無料なんだそうです。

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 私の通う歯科クリニックは、女性の歯医者さんが4人でやっていますが、明るく清潔な治療室にアートが飾られ、ジャズが流れていて、こわーい雰囲気はありません。治療中もジョークで気持ちを和らげてくれます。口を開けたままの状態で、笑いをこらえるのが大変。というわけで、今後も3ヶ月に一度の歯医者通いが続きます。

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2008年8月18日 (月)

クラフツ•フェア

 コペンハーゲンのデザイン好きたちが夏休み明けに楽しみにしているのが、デンマーク手工芸作家協会主催の「クラフツ•フェア」。ショッピングエリアに近い聖母教会広場で、毎年8月半ばの週末に行われますが、今回は25回目。初期の頃の出店者は陶芸作家ばかりだったそうですが、現在は陶芸に加え、ガラス工芸品、デザインジュエリー、テキスタイルと、バラエティ豊かに、出店スタンド数130あまりの盛況ぶり。天候にも恵まれて、沢山の人が集まりました。
 普段はアトリエやギャラリーでしか見られない、手工芸作家たちの一点物が一堂に集まり、各作家から作品にまつわるエピソードが聞けるのも楽しい。また、フェア用お手頃価格の限定小品なども並ぶので、ちょっとしたプレゼントや自分へのご褒美用に掘り出し物が見つかるし、作家にとってはPRの絶好のチャンスです。
 私も気になった作家さんが数人。それぞれのスタンドで、ポストカードや名刺をいただいてきました。今回欲しかったものは予算的に手がでませんでしが、「次回はきっと...。」と思いました。
クラフツ•フェア

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ガラス工芸で有名なボーンホルム島在住の作家、Mai Therese Ørstedさん。独特のフォルムがすてきです。
Mai Therese Ørsted

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ジュエリー作家、Nicolai Appelさん。グリーンランドで採掘されたゴールドを使った作品はシンプルでポエティック。

2008年8月13日 (水)

コペンハーゲン•ファッション•ウィーク

 毎年2月と8月に開催される、コペンハーゲン•ファッション•ウィーク。デンマークのファッションデザイナーによる、2009年春夏コレクションが8月6日から10日まで、市内の各所で発表され、世界中からバイヤーやジャーナリストが集まりました。今回は、北京オリンピックの開会式やパリス•ヒルトンのコペン訪問があり、いつもより盛り上がりに欠けたとはいえ、結果としては、約6万人の人々が集まり、前回より17%増というから、驚きます。市庁舎で行われた、Rützouというブランドのショーに行ってきましたが、カラフルなドレスが次々に登場して、一気に春の気分になりました。

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市庁舎前に設置された、大きなスクリーンで各メゾンのショーの様子が見られました。

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Rützouは人気ブランドのひとつ。コレクションは、毎回多くのゲストでにぎわいます。
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 デンマークの輸出高で第4位をしめるのが、衣料産業。今後も大きく伸びてほしいとはいえ、コペンハーゲンが北ヨーロッパのファッションのメッカになるのかまでは、予測できません。

2008年8月 6日 (水)

避暑地ソフィーンホルム公園

 7月は暑い東京ですごし、このブログもお休みをいただきました。

 さて、コペンハーゲンに戻っても、暑い日々が続いていました。こんなときには、海辺や湖の公園で過ごすのが一番ですが、おすすめのひとつが、ソフィーンホルム公園。コペンハーゲンの北、Lyngby駅からバスにしばらく乗ると見えてくる、美しい湖、Bagsværd Søのほとりにあります。もともとは、1769年にデンマーク郵政局長の別荘として建てられ、1790年に裕福な商人Constantin Brunが買い取り、フランスの造園デザイナーを雇って優美な庭園に仕上げたそうです。著名な旅行作家だったBrun氏の奥さん Friederikkeを慕い、作家やミュージシャンなどが集まる文化的なサロンでもあったそうです。
(一説には、「当時、下水道が完備されていないコペンハーゲン市内は、夏になると糞尿の臭いがひどかったので、富裕階級は郊外に逃げ出した。」とのこと。「避暑」というより、「避難」だったのかもしれません。)1963年に、Lyngby-Taarbæk郡が買い取り改装し、1967年から美術館&カフェとして一般に公開されて以来、このエリアの人々の憩いの場です。

 この美術館には、童話作家のアンデルセンや哲学者のキルケゴールが活躍した「ゴールデン•エイジ」と呼ばれる、1800年代の絵画が集められていますが、私が好きなのは、広大な庭にさりげなく存在を主張する、モダンアートやかわいい小屋など。湖に面したベンチに座り、行き交う小舟を眺めるのが、短い夏の幸福な時間です。

ソフィーンホルム

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展示スペースの一部は、かつては馬小屋だったそう。

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小人が住んでいそうな小屋(左)、庭のオブジェ(右)

2008年6月30日 (月)

フュン島のファルスレド•クロ

 デンマーク語で「クロ」とは、レストラン兼ホテル。かつて、人々が馬や馬車で旅していたころに作られた、旅籠のようなものです。交通機関が発達した今日では、コペンハーゲン周辺のクロはレストラン営業だけが多いようですが、地方に行くとまだまだ昔ながらのクロに泊まることができます。
 その中でも特に有名なのは、風光明媚なフュン島にある、「ファルスレド•クロ」。500年前のかやぶき屋根の農家を丁寧に改装した建物は、デンマーク人でもノスタルジックな気持ちになってしまう、「ザ•デンマーク」。フランス人チーフシェフ、ジャンルイ•リースロワさんの料理もミュシュランレベル。「デンマークのキッチンガーデン」と呼ばれるフュン島の新鮮な食材でつくる、洗練された味を求めて、世界中から顧客が集まります。
 今回は仕事での慌ただしい訪問だったので、いつかゆったりと泊まってみたいと思いました。
ファルスレド•クロ

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2008年6月22日 (日)

昔ながらのデニッシュペストリー

 日本のパン屋さん、「アンデルセン」のコペンハーゲン店がオープンし、当地の新聞や食の情報サイトでもとりあげられ、評判は上々です。
「アンデルセン」は40年以上前に当時の社長が欧州視察旅行中に「デニッシュペストリーと劇的な出会い。」をし、日本にそのおいしさを紹介したベーカリーとして、デンマークとのつながりが深いそうです。日本全国にショップがあるので、「初めて食べたデニッシュは、アンデルセンのものだった。」という人は多いでしょうが、私もそのひとり。デンマーク人の夫も、東京に行くと青山店に必ず立ち寄り、「デンマークで食べるより、美味しい!」と絶賛する味なのです。
 さて、コペンハーゲン店ですが、日本からいらした店長さんによると、「デンマークにパン職人を送って、デニッシュの作り方を習得したのが40年以上も前。今も当時の味そのままに作っています。」とのこと。最近は、オーガニック系、イタリアングルメ系とパン屋さんが多様化しているコペンハーゲン、昔ながらの店が消えていく中で、貴重な存在です。なんといっても嬉しいのは、小さいサイズのデニッシュがあること。いろいろな味をちょっこっとだけ食べたい、わがままな食欲を満足させてくれます。日本サイズのデニッシュを求めて、せっせと通いそうです。

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右がミニサイズのデニッシュ。

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