夜撮。
個人所有のサーキットである
「アスカリ・レースリゾート」は、
裕福なオーナーさんがお友達と一緒に素敵な休日を過ごす場所。
4年まえにモンスターS4Rs試乗会が行われたのがメディアに解放した
はじめてのことでした。
その後ボクはKTMのRC8に乗りにここに来ていて、
今回が3回目というわけ
アスカリサーキットのオーナーさんは
2003年のデスモセディチ(MotoGPマシン!)をはじめとして
フェラーリF1などコレクション多数。
こんなお金持ちが世の中にはいるんですねぇ……。
さて、午後8時に再びツナギに着替えたわれわれは
ピットにてスペシャルシューティングを行ったわけです。
ストリートファイターはそのキャラクター的にも
「夜の街を疾走する」ようなイメージ。
そこでピットで特別に撮影を行ったのです。
夜はストリートファイターのアイデンティティでもある
LEDのポジションランプがきれいですねぇ
スーパーバイク・ネイキッド!
エンジンは基本的に1098を踏襲しながら
クランクケースのコンパクト化などの技術は
1098Rおよび1198と同じ。
エンジンのマネジメントやスロットルボディ系は1098に準ずる
155馬力のハイパワーは
意外にも使い切れてしまう感じではあるけれど
そもそもモンスターとは趣を違える新しいアプローチに感じます。
これは、本気でつくってますねぇ
「こんなもんでイイでしょ」とつくったスーパーバイク・ネイキッドとは
明らかに異なる乗り味。
ドゥカティの気合いが伝わってきます。
日本の峠でどんな走りを見せるのか、
そのあたりも楽しみです。
これからパリに移動。
つづきはまたのちほど……
バイクに乗ってて「いいなぁ」と思う瞬間。
それって大抵ツライ場面だと思いませんか。
スムーズに事が運んだツーリングなんて、
あまり記憶に残ってない。
対して「死ぬかと思った」みたいな旅の記憶は、
いつまでも色褪せない。
それをリアルに感じたのは、
2007年の秋にシベリアを5000㎞走ってモンゴルに行く……
という強行ツアーだった。
もとはといえば当時BMWモトラッドのディレクターだった
ファウストさんの「モンゴルラリーにBMWで参戦している
池町選手たちをバイクで応援しに行こう!」
という熱意からはじまったこのツアー。
かき集められた我々一行は
「のんびりツーリングするだけなんでしょ」と
最初はタカをくくっていた。
しかし、いざ走り出した途端、現実の厳しさに直面したのだ。
なにしろひたすらダートだ。
シベリア鉄道と並行して走る未来のハイウェイはまだ未舗装で、
ふかふかの砂の場所もあれば、
比較的大きな砂利がゴロゴロする場面もある。
しかも我々が駆るバイクは、
BMWが誇る陸の王者、R1200GSだった。
アルミのパニアケースが左右に備わる巨大なバイクもはじめてなら、
朝から晩まで一日中ひたすらダートしか走らず、
しかもそれが何日も続くなんて経験も、
もちろん生まれてはじめてだった。
時速80キロから100キロほどのペースで
淡々と走るのだけれど、
かならずパンクしたり何らかのトラブルに見舞われる。
するとそこで時間をロスし、
当初予定していた「一日700キロ」という課題をクリアできず、
ちょっとずつスケジュールが押していく。
次第に焦りと不安が募っていく……。
どんなに頑張ってもノルマの距離を稼げず、
宿をとる目的地にも辿り着けない。
やむなくキャンプを張ったシベリア中部の寒村でのことだった。
村外れの湖畔をキャンプサイトに定め、
ゴアテックスの上下を着たままテントを設営し、
火をおこしてつかの間の休息。
もちろん風呂などなく、あっても入れないほど疲労困憊だった。
すでに何千キロも走ったホコリだらけのウェアのまま、
寝袋に潜り込むというありさまだった。
その夜見上げた空の美しさを、僕は一生忘れないだろう。
それはもう、ひたすらに見事だった。
空をびっしりと覆う満点の星。
じっと眺めていると吸い込まれてしまうような
不安さえ感じるほどだった。
そもそもバイクで来なかったら、
こんな感動は味わえなかったかもしれない。
ふと、そう思った。
だって昼は暑い。夜は寒い。転べば痛い。
バイクは不安定で過酷な乗り物だけれど、
だからこそ、ライダーだけに見える風景がある。
田舎の親や友達に「まだバイク乗っとるんか」と言われても
乗り続ける、僕の動機はそこにある。
つらかったロシアの思い出は、徐々に僕の中で美化されてきています。
そういう時間経過のともなう「自動美化」と「武勇伝機能」が手伝って、
こういう思い出って脳のメモリーに深く刻まれるんでしょうね。
さて、ミシュランPOWER ONEですが、
僕らに関係あるのは、
ストリート&トラックデイ用パワーワン。
で、これが絶大なグリップ力を発揮したのです。
ミシュランの哲学である
コントロール性を重視しながらも
より高い荷重域でのグリップ力を重視したキャラクター。
ざっくり言えば
ピレリとブリヂストンのいいとこ取り……
そんな感じです。
いずれにせよ、
コーナー進入でブレーキを深いところまで残した
コーナリングを想定しているため
それなりにエキスパート向け……
そんな感じのタイヤです。
その傾向をさらに強めているのが
プロダクションレース用パワーワンでした。
フロントタイヤの内部構造は
カーカスの角度と牧数を変え
プロファイルもさらに尖った感じ。
しかもかなり頑張って走っても
トレッド表面が全然荒れない耐摩耗性の高さ。
600ccクラスのマシンでは
どんなにパワーを与えてもズルッともきません。
そして最後に1本だけ乗ったのが
市販レーシングスリックのパワーワン。
スリックなんて乗り慣れないから
まったくもって驚きの連続でした。
左右非対称のトレッドは、
右コーナーの多いポルティマオに合わせ、
フロントがタイプB、リヤがタイプCコンパウンドの
組み合わせ。
そして……
もしかして試乗車であるんじゃないかと期待していた
新型R1にも乗れましたョ!
こちらのインプレッションはまた改めて。
簡単に言えば
パワーレースの後継となる
新世代プロダクションタイヤ。
ストリート&トラックデイ(欧州で盛んなサーキット走行会)
をターゲットにしたストリートバージョンと、
プロダクションレースようの溝つきタイヤ。
さらにレーシングスリックとレインで構成される
シリーズ名が「パワーワン」というワケなのです。
すごいのは、
2008年のMotoGPプロジェクトの参加メンバーが
つくったタイヤだということ。
プロファイル、コンパウンド、そして内部構造は、
各モデルによってすべて異なり、
たとえばストリート&トラックデイ用パワーワンは
前後ともにレーヨン&ケブラーの3プライ構造。
そしてプロダクションレース用パワーワン(これも溝つき)は
4プライでコンパウンドは前後3種類をラインナップ。
極めつけはレーシングスリックのパワーワンで
トレッド中心部とショルダーで異なるゴムをつかう
2CT(ツーコンパウンド)構造を発展させ
左右のショルダーで柔らかさを変えるという3CT構造を採用。
これは一般的なサーキットは時計回りで
右コーナーが多いという理由から。
もともと全自動のシームレス(継ぎ目のない)構造のため
左が多いコースはひっくり返せばOKという
目からウロコの最新技術がてんこ盛り。
コンパウンドに天然ゴムを使わない
100%化学合成コンパウンドなど
新しいファクターはキリがありません。
で、乗った感じはどうなのって?
オーストラリアのフィリップアイランドで
開幕したWSBK(世界スーパーバイク選手権)で
ヤマハR1とアプリリアRSV4が
スーパーポールで1−2グリッドを獲得しております。
ともに今期デビューの新型車両ながら
なかなか期待させる予選結果ではないですか。
今シーズンから採用された
ノックダウン方式(勝ち残り方式の)
スーパーポールのためか
日本人選手たちはやや後方に沈んだ感がありますが、
決勝レースに期待したいところ。
今年はアプリリアにBMWも参戦して
参加メーカーが増えたWSBK。
ちょっと面白いことになりそうです。
タイム: 1. スピース B. (米) ヤマハ YZF R1 1'31.069; 2. ビアッジ M. (伊)アプリリア RSV4 1'31.402; 3. レア J. (英) ホンダ CBR1000RR 1'31.596; 4. スムルツ J. (チェコ) ドウカティ 1098R 1'31.600; 5. ファブリツィオ M. (伊) ドウカティ 1098R 1'31.837; 6. ハスラム L. (英) ホンダ CBR1000RR 1'32.112; 7. チェカ C. (西) ホンダ CBR1000RR 1'32.537; 8. ラコーニ R. (仏) ドウカティ 1098 RS 09 1'32.649 … 9. 中野 S. (日) アプリリア RSV4 1'31.843; 10. 清成 R. (日) ホンダ CBR1000RR 1'31.860; 11. 加賀山 Y. (日) スズキ GSX-R 1000 K9 1'31.867; 12. サイクス T. (英) ヤマハ YZF R1 1'31.881; 13. 芳賀 N. (日) ドウカティ 1098R 1'31.907; 14. ノイキルヒナー M. (独) スズキ GSX-R 1000 K9 1'31.916; 15. バーン S. (英) ドウカティ 1098R 1'32.119; 16. パルケス B. (豪) カワサキ ZX 10R 1'32.719 … 17. コーサー T. (豪) BMW S1000 RR 1'32.873; 18. ロルフォ R. (伊) ホンダ CBR1000RR 1'32.997; 19. ザウス R. (西) BMW S1000 RR 1'33.152; 20. ヒル T. (英) ホンダ CBR1000RR 1'33.363.


